コミュニティカフェ
- 子育てママを応援する親子カフェ「kirakira親子カフェ 幸盛HOUSE」(川崎市幸区平間)
JR南武線鹿島田駅から徒歩8分―「何を食べようか」と迷うくらい飲食店が立ち並ぶ駅周辺を抜けると、古き良き昭和を感じる建て物が連なる通りがあり、そこに、白い壁にレトロな窓枠が印象的な一軒家カフェ「kirakira親子カフェ 幸盛HOUSE」があります。
ここは、川崎市幸区唯一の親子カフェ。じつは、前オーナーが閉店を決めたあと、「区内唯一の親子カフェをなくしてはいけない!!」と、NPO法人幸区盛り上げ隊(以降、幸区盛り上げ隊)が経営を引き継いだというのです!
今回は、幸区唯一の親子カフェ「kirakira親子カフェ 幸盛HOUSE」の魅力とともに、親子の居場所づくりについての熱い思いを、幸区盛り上げ隊代表の倉林智美さんにうかがいました!
■ひとりでも!子どもといっしょでも!ここをママたちのサードプレイスに。
-本日はよろしくお願いします。
倉林さん:よろしくお願いします。
-さて、さっそくですが、2021年5月10日、コロナの落ち着かない状況のなかで「親子カフェkirakira」を引き継ぎ「kirakira親子カフェ 幸盛HOUSE(以降、幸盛HOUSE)」としてオープンされたのですね。世の中も安定せず不安が多いなかだったと思いますが、なぜ経営を引き継ごうと思われたのですか?
倉林さん:まずは、幸区盛り上げ隊としてもちょうど拠点を探していた、ということもあり引き継ぐことを決めました。また、ここが鹿島田で唯一の親子カフェでしたので失くしたくない思いがありましたし、ずっと前からママたちが気軽に来られてリフレッシュできる場所をつくりたいという強い思いがあったからです。
-ママや子どもが親子で行ける居場所だと、行政がつくっている地区センターや支援センターなどもありますよね。
倉林さん:はい、幸区にも子育て支援センターがいろいろなところにありますし、町内会でもママサークルや子育てサークルがあります。ただそこはすでにママたちの輪ができていて入りにくいという方もいらっしゃるようです。
-でき上がっている輪の中に入るのは、なかなかむずかしいですよね。そういう親子でも気軽に来られる場所がほかにあればいいのに、ということですね。
倉林さん:そうです。じっさいわたしも長男が1才のときに住んでいた場所に親子カフェがあったのですが、そこでイベントに参加させてもらったことで自分自身が助けられた経験もありました。だから幸区にもそういう場所があったらうれしいな、と。
-ご自身の経験からも親子カフェを失くしたくないという思いが強くなったのですね。
倉林さん:親子カフェでわたしが助けられたように、ここが誰かを助けられる場所になればいいなと思っています。ここに来るきっかけは「コーヒーを飲みに」とか「イベントに参加する」とか何でもいいのです。ひとりでも赤ちゃんといっしょでも気軽に来られる場所にしたいと思っています。幸盛HOUSEがそんなママたちにとってのサードプレイスになればいいなと思っています。
■親子カフェには「ママのために」がたくさん詰まっている。
-お店の半分ほどのスペースをぜいたくに使ったキッズスペースは、幸盛HOUSEの魅力ですね。おもちゃもたくさんあるし子どもを遊ばせてママはゆっくりランチやコーヒーを楽しめそう。
倉林さん:目の届くところで遊ばせることができますので安心です。また、キッズスペースで遊ばせるにはまだ早い小さなお子さまには専用の椅子もご用意しています。広いおむつ替えスペースもありますので、赤ちゃんといっしょでも安心してご利用していただけます。
ママもお子さまも使いやすいトイレスペース。
-お子さまが手を洗いやすい台も置いてあって、親子にやさしい場所ですね。
おみやげにぴったりのドリップパックが並んでいます。
-こちらのレジ横にあるパックは何でしょうか?かわいいイラストですね!「幸盛HOUSEブレンド」と「カフェインレス・・・にゃんコーヒー」??
倉林さん:はい。こちらは私たちがプロデュースしているオリジナルコーヒーのドリップパックで、幸区の「Denim bis〜珈琲焙煎とおやつ〜」(以降、Denim bis)という珈琲焙煎店とのコラボ商品です。もともとカフェインレスの「カフェインレスにゃんコーヒー」を幸区盛り上げ隊がイベントで販売していたのですが、幸盛HOUSEがオープンするときに、カフェインレスとは別でオリジナルの幸盛HOUSEブレンドも作りました。お店で提供しているコーヒーと同じものです。
-お店でDenim bisさんのコーヒーをいただけるのですね。ぜひ飲んでみたいのでお願いしてもよろしいですか?
倉林さん:はい、お店では豆から挽いてハンドドリップで提供させていただいていますので少々お時間をください。
「本格的な香りと味が楽しめる」と評判のコーヒー。
-淹れてもらっているときからコーヒーのいい香りがしていましたが、味もとてもおいしいです!これはお子さまにはキッズスペースで遊んでいてもらってママにはゆっくり味わってもらいたいですよね。
倉林さん:ありがとうございます。挽き立てを提供したかったのでハンドドリップでの淹れ方もDenim bisさんから直々に教えていただきました。また、ママでも飲みやすいカフェインレスコーヒーは、コーヒーが飲めない方やふだんからカフェインレスしか飲んでいない方も「おいしいし、香りもいい」と言ってくださいます。オリジナルブレンドだけでなく、カフェインレスコーヒーもアイスコーヒーも、豆で仕入れて提供しているからだと思いますが、ママたちに喜んでもらえてうれしいです。
-カフェインレスコーヒーもアイスコーヒーも豆を挽いて抽出しているのですね!?親子カフェやコミュニティカフェはそこまでコーヒーにこだわらないイメージがあったのですが、ここまでこだわっているのはどうしてですか?
倉林さん:普通のコーヒーでもよかったのですが、せっかくキッズスペースもありますし、お子さまを遊ばせながらおいしいコーヒーを飲んで癒されていただきたいなと思いました。また、2階のレンタルスペースだと、赤ちゃんといっしょに過ごしながら、ママたちは足を伸ばしてコーヒーを飲んでおしゃべりを楽しむこともできます。
■仕事もお茶会も!レンタルスペースをうまく活用する。
8.5帖の部屋はお茶会や交流会、セミナー利用などにおすすめ。
-2階のレンタルスペースは8.5帖と6帖の2部屋ですね。イベントスペースとしても利用しているそうですが定期的に開催しているものはありますか?
倉林さん:定期イベントは、第1営業日に「ナギノハンコ屋喫茶室」、第1月曜日に「オカリナ演奏&絵本読み聞かせ」、最終月曜日に「ハンドビューティー茶話会」を開催しています。不定期開催になりますが、小さなお子さまがいる方におすすめなのは「おねんねフォト」や「手形足形アート」ですね。その季節に合った素敵な作品ができ上がります。
-悩みを話せる場として、「発達障害やグレーゾーンの子たちについてのお話し会」というものがありますね。どんなきっかけでこの会を開催しようと思ったのですか?
倉林さん:いろいろな会に参加していると、ダウン症や自閉症、発達障害の疑い(グレーゾーン)があるお子さんたちのことで「そのことについて話せる場所がない」とひとりで悩んでいるママが多いことがわかって。だからそういったお子さんの悩みを話せる場があったらいいなと思ったのがきっかけですね。
-たとえば「ちょっと育てにくいな」とか「これってどうなんだろう」と不安になっているママたちがこのお話会に来てくれればいいな、ということですね。
倉林さん:そうです。ご自身が不安に思っていることを話してもいいし、ほかの方の話を聞くだけでもいいのです。この会は不定期ですが、月1回は開催するようにしています。
ほかの単発イベントと共に、ホームページのイベントスケジュールを参照していただけたらと思います。
6帖のレンタルスペース。施術用のベッドがあるのでエステやマッサージなどに!
-6帖のお部屋にはベッドがあるのですね。
倉林さん:ここのお部屋は、エステやマッサージなどのリラクゼーションなどで利用できるようになっています。たとえば、「資格を取ったから施術や相談会をやってみたい」とか「お客さんを家に呼ぶのは抵抗がある」といった方が利用されています。ここをお試しで利用していただいて起業への足がかりにすることもできるのではないかと思います。
-施術してもらうお客さまにしても、個人のご自宅だと落ち着かないですものね。施術者、お客さま、双方にとって、この場所で施術を受けることはメリットが大きいですね。
倉林さん:このレンタルルームを利用しながら、起業家のみなさんのサービス提供がうまくいくといいなと思いますし、その方たちのサービスがママたちの助けや癒しになるのであれば、ぜひたくさんの起業家のみなさんに利用していただきたいですね。
■協力し合いながら街を盛り上げていく。
応援してくれるサポーターは大切な存在。
-店内の掲示板を拝見すると、たくさんの企業や団体サポーターが幸盛HOUSEを応援してくださっているのが分かりますね。具体的に企業や団体とはどのようなことをいっしょに活動しているのでしょうか。
倉林さん:トヨタモビリティ神奈川さんでは新加瀬店にて、当団体のハンドメイド商品販売をさせていただきました。オリーブ母子相談室の助産師さんは月1回幸盛HOUSEでお話会を開いてくれています。また、女性自立支援団体のALMAさんには土日に幸盛HOUSEの2階を、個別育児相談の場として利用していただいています。ALMAさんとは、わたしたちが開催しているマルシェの洋服交換会で余った服を寄付させていただくなどの交流もしています。
-洋服交換会なんてあるのですか?そのマルシェはいつ開催さているのでしょうか。
倉林さん:「エンデgooマルシェ」といって近くの美容室をお借りして偶数月の最終火曜に開催しています。マルシェではハンドマッサージやワークショップ、ハンドメイドの商品や川崎野菜を販売しています。そこで毎回ではないですが洋服交換会をしています。交換会は、サイズアウトした洋服を持ってきていただいて、代わりにそこにある洋服を持ち帰っていただくしくみです。(現在はコロナの状況次第で、内容を縮小したり中止にしたりする場合もあります。)
ハンドメイド商品は幸盛HOUSEの棚ショップでも購入可能です。
-美容室をお借りしてイベントが開催できるなんて本当に地域の方たちといいお付き合いができているのですね!
倉林さん:ほかにも写真スタジオや書店にご協力いただいてイベントを開催したり、月1回施設をお借りして「さいわいママ交流会」というのも開催したりしていました。こうやってひとりではむずかしいことでも地域のみなさまからたくさんの協力を得ることでいろいろなことが実現できています。
-コロナ禍の今は施設をお借りしてイベントを開催するのはなかなかむずかしいですよね。
倉林さん:そうですね。でも状況が落ち着いたらまた引き続きお付き合いさせていただきたいと思っています。そしてお互いにPRをしながらいっしょに地域を盛り上げていきたいですね。
-今後はどのような形で地域の輪を広げていこうとお考えですか?
倉林さん:現在幸盛HOUSEでは不定期ですが、主に火曜・水曜・木曜にランチ提供しています。10月は14日の鉄道の日に合わせて11日~14日を鉄道ウィークとして、幸区を走る鉄道をイメージしたオリジナルドリンクを提供します!幸区にある鉄道新聞社さん監修です。また、10月最終週はハロウィンウィーク!いろいろなイベントを開催。25日の週は毎日ランチも提供いたします。そして、今後も一歩ずつ地域とのかかわりを増やしていこうと思っています。
10月最終週はハロウィンウィーク。楽しいイベントが毎日開催!
-鉄道新聞社さんが監修されたドリンクとは、とても興味深いですね!
運営団体である幸区盛り上げ隊は「かわさきSDGsゴールドパートナー」として認証されていて持続可能なまちづくりに取り組んでいるとうかがいました。このような一つひとつの活動が、評価されているのでしょうね。
倉林さん:ありがとうございます。
-最後に、幸盛HOUSEを運営していくなかで、メンバーのみなさんはどのようなかかわり方をしているのでしょうか。
倉林さん:私たち団体の考え方として「できる時にできる事を楽しく」というのがあります。幸盛HOUSEの運営やキッチンは、メンバーが力を合わせて営業しています!また、イベントの参加だったり、セミナーの講師だったり、団体の情報誌の配布だったり、それぞれのメンバーが自分たちでそのときにできることをしてくれています。メンバーがいろいろと協力してくれて本当に感謝しています。
-記事を見て「私も地域を盛り上げる活動をしたい!」と思った方がいたら幸区以外の方でも参加はできるのでしょうか?
倉林さん:もちろんです。遠くから来てくれているメンバーもいますので、幸区以外の方でも大歓迎です。ちなみに幸盛HOUSEの不定期イベント「マネーセミナー」の講師は幸区盛り上げ隊の男性メンバーなので、男性も大歓迎です。これからも幸区盛り上げ隊は地域のみなさまとともに幸区と幸盛HOUSEを盛り上げていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします!
倉林さん(右)と島津さん(左)。島津さんは手肌ケアのスペシャリスト!
インタビューを通して感じたのは、「どの地域にも親子カフェがもっとたくさんできるといいな」ということ。とくに引っ越してきたばかりのママにとっては、このような場所があると心強いのではないかと思います。ママのためにママが動いて絆が生まれる、なんだか素敵な関係性ですよね。
幸盛HOUSEでは「お子さま連れOKのイベント」「資産運用セミナー」など、親子で参加できる楽しいイベントやためになるセミナー、悩めるママたちの相談会などがあります。ぜひイベントスケジュールをチェックしてみてくださいね。
子育てママだけでなく、夫婦やパパたちも歓迎してくれますよ!
kirakira親子カフェ 幸盛HOUSE(さちもりハウス)の店舗情報
店名 | kirakira親子カフェ 幸盛HOUSE(さちもりハウス) |
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席数 | テーブル席 2名席×6(組み合わせ可) |
電話番号 | 044-276-6526 |
最寄り駅 | JR南武線 鹿島田駅から徒歩8分 |
アクセス | バス(溝ノ口駅・小杉駅・平間駅・川崎駅方面から東急バス(川31系統・川33系統・川34系統)に乗車「下平間」停留所から徒歩1分) |
住所 | 川崎市幸区下平間48 |
営業時間 | カフェ(月・木10:00~14:00、火・水・金10:00~16:00) |
定休日 | 土曜日・日曜日・祝日(土・日はALMAで個別育児相談会として利用。詳細はお問合せください) |
ホームページ | https://sachimori-house.com/ |
食事の提供 | 火・水・木(予約優先) キッズ用のお食事も用意しています。ご相談ください。 ※詳細はHPをご参照ください。 |
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レンタルスペース | あり イベント主催の利用料金(2時間より利用可能) 一般利用:1時間1500円、企業・団体:1時間3000円 リモートワークや打合せ・お茶会等の個室貸し切り利用 1時間1,000円~(以降15分毎に250円)、ワンドリンクオーダー制、店内提供のランチ、または提携飲食店からのデリバリー可能、持ち込み不可、ゴミは各自持ち帰り |
レンタル棚ショップ | 1000円~/月(棚の位置により金額が変わります) |
Wi-Fi | あり |
充電 | 可能 |
プロジェクタ投影 | 機器を持参すれば2階A室にて壁投影可能。 |
おむつ替え設備 | あり |
ベビーカー入店 | 可能 |
離乳食 | なし(離乳食の持ち込み可。お湯の提供可)。 |
ベビーシート | 店内のベビーシートあり(バンボ) |
車いす着席 | 可能 |
車いす手洗い | 不可(階段があるため) |
編集部メンバー
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ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。 |
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家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。 |
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好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。 |