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コミュニティカフェ

人と街とともに育つカフェ「大倉山ミエル」(横浜市港北区大倉山)

横浜の閑静な住宅街に、地域に愛される小さな平屋のカフェがあります。居心地のよさそうなテラス、季節の花が咲くお庭。通りからみえる大きな出窓は、思わず中をのぞき込みたくなります。「もし自分がカフェを開けるのなら、こんなカフェにしたい!」―そう感じずにはいられない素敵な場所。

ここは、横浜市港北区大倉山にあるコミュニティカフェ[大倉山ミエル]。横浜では、コミュニティカフェの先駆的存在といわれるコミュニティカフェです。カフェのある地域は、港北区社会福祉協議会、港北区役所、港北公会堂などの地域活動を支える機関が集まる恵まれたロケーションというだけでなく、駅前通りを中心にひろがる大倉山商店街の地域一体となった活動でも知られています。そんな地域にあるこのコミュニティカフェは、いったいどんな場所なのでしょう?今回は、カフェのオーナーである鈴木智香子さんに、[大倉山ミエル]についてお話をうかがいました。

■はちみつとわたし

音楽イベントの開催も多く開催されるミエル。ストリートピアノのように、お客さまが演奏を楽しまれる。

-本日はよろしくお願いします。

鈴木さん:こちらこそよろしくお願いします。

-「中はどんなふうになっているのかしら!?!?」と、カフェの扉の前で、わくわくと想像をかきたてていました!

鈴木さん:ふふっ(笑)どうですか?想像通りでしたか?

-具体的に想像できていたわけではないのに、なぜだか「思った通りの場所だ!」と思わず叫んでしまいました(笑)

鈴木さん:この建て物は、以前はギャラリーとして使われていました。外観と内装の調和がとれているので、中に入っても違和感がなく自然になじむのでしょうね。

-なるほど。ギャラリーと聞いてしっくりきました。シンプルだけどデザイン性が高い内装もうなづけますね。吹き抜けの天井と梁、アップライトのピアノや存在感のある大きな出窓、ゆっくりおしゃべりが楽しめそうなカウンター席。どれもがこのカフェのシンボルのようです。

鈴木さん:ありがとうございます。今年で街カフェ大倉山ミエルは10周年を迎えますが、最初からこの場所にあったわけではないのですよ。じつは、この10年間で3回の移転をしています。2010年11月に、大倉山2丁目の店舗で、商店街の養蜂事業のアンテナショップとしてオープンしたのが最初です。

-養蜂事業のアンテナショップですか?

鈴木さん:当時、注目され始めていた都市養蜂の補助事業を商店街で取り組むことになり、その商品を扱うお店を運営しませんか?というお話をいただいたのです。降ってわいたお話でしたが、そのころ4人の仲間と地域活動をしていましたので、地域の事業に携わりながら、多世代が気楽に集まり交流できる場所を運営できることは、幸運な巡りあわせだったと思います。ですからカフェの名前は、フランス語で「はちみつ」を意味している”ミエル(miel)”に由来するのですよ。

養蜂事業は数年で終了してしまったため、カフェを近隣の大豆戸町へ移転。その後、大倉山7丁目に再移転した後、2018年10月に、現在の大倉山4丁目のギャラリーへ移転しました。

-大倉山2丁目、7丁目を経て、4丁目へ移転!看板に“4丁目”大倉山ミエルと書いているわけがわかりました!それにしても、同じ地域とはいえ、新しい場所で再スタートするのはいろいろな面でとても大変なことだと思うのですが。

鈴木さん:もちろん簡単なことではありませんが、コミュニティカフェが移転してリスタートすることは、そんなにめずらしいことでもないのですよ。わたしが所属する横浜プランナーズネットワークというまちづくりの調査・研究などをするNPOでも、コミュニティカフェが場所を転々とすることは「あるあるだよねー」なんて話がでます。コミュニティカフェは、カフェをやるだけでは意味がなくて、いろいろなつながりや活動が生まれていく場所でなくてはならないと思うのです。

―場所を移転したからこそ出会える人もたくさんいるのでしょうね。

鈴木さん:はい。新しい人とのつながりがあってこそ生まれた活動もあります。また、人のつながりを重ねるごとに、それまでのイベントもどんどん魅力が増していきます。カフェが2丁目にある2011年に、商店街や地域と連携しながら開催した第一回大倉山ハロウィンは、この地域の季節の大きなイベントとなりました。

 

■ミエルを彩る、象徴的シェアカフェ

さとこさんのスパイスカレーランチ。シンプルな見た目の野菜も、しっかりとスパイスが効いている本格派!

-さて、本日は鈴木さんにお会いするのも楽しみにしてきましたが、それと同じくらい本格スパイスカレーランチが食べられることを楽しみにしてきました!

鈴木さん:毎週金曜日は、「さとこさんのスパイスカレーの日」。シェアカフェとして吉本聡子さんが運営されています。コロナ後の現在は、テイクアウトのみ・要予約にてご提供しています。【スイーツ付き1000円】さとこさんのカレーは、たくさんのスパイスを使って作りこむ本格派。女性にも男性にも大人気です。

-今日のメニューはチキンの入った白いカレーとのこと。クリームシチューのような味わいを連想してしまいましたが、なんの!!!スパイスがじわりと効いていて、味わい深い辛さ!これは、何をどうしたらこういう味になるのか???まったく見当がつきません!!

鈴木さん:聡子さんのシェアカフェでは、スパイスカレーの料理教室も同時開催しますから、その疑問も解消できますよ!デモンストレーション方式だから、赤ちゃんを抱っこしたまま受講できますので、ママたちでいつも満席です。(コロナのため中止していたカレー講座は、7月よりオンラインで再開しました。【受講料1000円(500円のスパイスセット付)】)

-テイクアウトのカレー弁当は本日も完売御礼とのこと!お客さまも待ちわびた様子ですね。たしかにこの味はくせになりますね。

鈴木さん:「月イチカフェ」というママが集まるシェアカフェも、コロナ前とは形を変えて再開しました。このカフェでは、パン作り教室、野菜をおいしくいただくためのお料理教室、ダイエットや体調管理に効くアロマやハーブ、耳つぼジュエリーなどのリフレやワークショップなど、1日でいろいろなことが体験できる月に1度のカフェです。肉、魚、乳製品、卵を使わない野菜たっぷりなオリジナルランチ【デザート付き600円】が人気でした。7月より【試食とレシピセット500円】の販売やミツロウラップのワークショップなど、マルシェ形式で再開しています。

フードコーディネータ成瀬優子さんのゆるベジランチ。
肉、魚、乳製品、卵を使わない、レシピ3行の、とにかく簡単な野菜料理が大人気。

-同じカフェで、まったくテイストの違うシェフのお料理が食べられるのですね。

鈴木さん:シニアサロン「おでかけミエル」がある月・水曜日は、500円のランチプレートをご提供しています。現在は予約制とさせていただいていますが、みなさんでお食事を楽しんでいただいています。

 

■ココは地域の宝箱

非常事態宣言前の、月イチカフェの様子。笑顔のママと子どもたちでカフェは大にぎわいでした。

-カフェの様子を見ていても、ママたちはミエルで素敵な時間を過ごしているのがわかりますね。

鈴木さん:前述のシェアカフェのほかにも、0~3歳の音楽教室「ハッピーマザーおやこ響室大倉山」(ミエル共催)、「モンテッソーリお話し会」など、子育て中のママや子どもたちのプログラムも大変人気があります。

-行きつけのカフェで、子どもと楽しめるプログラムに参加できるのはうれしいですよね。

鈴木さん:一方で、こういったプログラムに参加する立場から、地域を作る側の立場になっていくママたちもいるのですよ。

-どういったママたちが地域を作る側の人になっていったのでしょうか?

鈴木さん:このあたりでは、幼稚園ママだけでなく保育園ママも活発に活動していますよ。潜在的にマンパワーのあるこの地域は、フリーランスなども含めて仕事をしているママが多いのですが、そんなママたちのなかには、育児休業中に初めて「地域」を意識する人もいます。

-子どもがいないうちは、家と仕事場の往復ですから、地域を気に留めることはほとんどないですものね。当然、地域にどんな居場所や遊び場があるかなど、まったくわかりませんよね。

鈴木さん:そういう不便さを感じて、地域でつながることや住みやすさの価値に気付いていくのでしょうね。子育てと家事や仕事も抱えている彼女たちは、割ける間は多くはありませんが、それぞれに違うスキルをもっていて、いろいろなイベント企画に関わっています。先ほども出た大倉山地区のイベントも、たくさんのママたちが関わって、代表的な地域の催しとして多世代から支持されるようになりました。

-地域役員の高齢化にともない、地域の催しが“負担”になっているところが多いなか、ママたちが進んで関わることができているのはすばらしいですね。

鈴木さん:そうですね。ママは地域の宝物です!

-本当に!子どもや家族のために、住みよい地域づくりを楽しみながら取り組んでいるママは、家族にとっても地域にとっても宝物ですね!そんなママや子どもたちがあつまるミエルは、地域の宝箱のようです!

 

■人と街とともに育つカフェ

-緊急事態宣言の解除後は、食事の提供やシニアサロンは様子をみながら慎重に進められているそうですね。コロナの感染拡大のリスクと共存するなかで、今後、ミエルはどのような活動をしていきますか?

鈴木さん:4月からは、オンラインのカフェ活動を開催して、会えない状況でのつながり方を模索してきました。たとえば、オンラインによる「ママのおしゃべり会」「大人の悩み子ども相談室」「シニアの時間」などです。

-どのようなことを行うのですか?

鈴木さん:ママのおしゃべり会では、Zoomを使ってオンラインミーティングをしました。手遊びや体操、おすすめの絵本の情報交換などを行いました。コロナの感染拡大が進み、先行きが見えない不安のなか、顔を見て話ができる喜びをかみしめられたと思います。

また、おしゃべりするだけでなく、オンラインのフリーマーケットにもチャレンジしました。オンラインで得られる価値もたくさんあったので、カフェでのリアルな活動と並行して、オンラインでの活動も継続していこうと思っています。

-シニアの方はいかがでしたか?

鈴木さん:シニアにとってオンラインは難しいものでしたが、コロナ感染の第2波、第3波が来ることを想定すると、新しい生活様式としてオンラインのコミュニケーション手段を身に付けることは、互いにとっていいことだろうなと思ったので、今後シニアのためのオンライン講座なども検討したいと思っています。

-コロナ禍で、不便なこともたくさんありますが、変化に柔軟に対応しながら、オンラインなどから新しい価値を見出されているのですね。このような急激な社会の状況にも迅速に対策し、人と街とともに変化しながら成長する「大倉山ミエル」姿を見て、先駆的コミュニティカフェのゆるぎのない存在感を感じました。

 

大倉山ミエルの店舗情報
店名 大倉山ミエル
席数 4名席×3、2名席×2(テラス席8名程度可)、カウンター×5
個室 なし(貸し切りOK)
電話番号 045-717-6778
最寄り駅 東急東横線「大倉山」またはJR「新横浜駅」
アクセス 東急東横線大倉山駅から徒歩13分 横浜市営バス41系統または6系統「観音前」から徒歩約6分 横浜市営バス6系統・新横浜行「港北土木事務所前」から徒歩2分
住所 横浜市港北区大倉山4丁目36-26
営業時間 開催イベントによる ※ホームページから毎月発行のイベントカレンダーを参照
定休日 ※ホームページから毎月発行のイベントカレンダーを参照
ホームページ https://cafemiel.jimdofree.com/
食事の提供 あり(定番メニュー以外に、シェアカフェ毎月発行のイベントカレンダーを参照)
レンタルスペース あり(1000円/h~)
レンタル棚ショップ なし
Wi-Fi あり
充電
プロジェクタ投影
おむつ替え設備 なし
ベビーカー入店
離乳食 なし (お湯の提供可)
ベビーシート あり
車いす着席 可(バリアフリーではありません。お手伝いできる人がいれば入室のお手伝いをします)
車いす手洗い 不可

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