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お出かけスポットインタビュー

こんなに近くで悠久の歴史を体感!ミシュラングリーンガイドにも選ばれた大山の魅力を徹底調査してきました!

桜と大山

年間100万人の登山客で賑わう大山!神奈川県にお住まいであれば大山は知っているけど、身近すぎてよく知らない!という方もいらっしゃるかもしれませんね。じつは私も。。。

ということで、今回は、大山登山の玄関口に位置する伊勢原市観光協会局長の志村さんにインタビューしてきました。お休みの日に、大山にお出かけなんていかがでしょうか?

聞き手:たいせつじかん編集部

 

伊勢原市観光協会局長の志村さんインタビューにお応えいただいた志村功(しむらいさお)さん

■江戸時代の大山は、今のテーマパークのようなものだった!?

ーー大山について詳しく教えてください!よろしくお願いします。

志村さん:はい、よろしくお願いします。

大山は丹沢山系の東の端に位置する標高1,252mの山で、阿夫利神社と大山寺からなる神仏混交の山です。名前の由来も山岳信仰の対象としての大きな山であったことから大山といわれるようになったといわれています。

また、海に近く雨がよく降ることから、雨降山とも言われ、雨ごいや五穀豊穣を願う人々に信仰されていました。

ーーそうなんですね。山岳信仰の対象であったというのは聞いたことがありますがいつ頃からなんですか?

志村さん:その歴史はかなり古いと考えられていて、山頂からは縄文土器が出土しています。きっと縄文人も山頂から御来光を拝んでいたんでしょうね。

ーーいきなりロマンを感じるお話ですね!

志村さん:はい、大山にはロマンが詰まっているんですよ!大山を紹介するにはその歴史からお話するほうがわかりやすいかもしれませんね。

ーーはい!ぜひ、大山のロマンが詰まったお話を聞かせてください

志村さん:おそらく古来から自然発生的に山岳信仰の対象となったと思いますが、組織化されたのは奈良時代に大山寺が開かれたところからです。

大山寺

現在の大山寺

その後、江戸時代に入り徳川家康が大山を庇護したことで多くの参拝客を集めることになります。江戸の人口が100万人であったころに、20万人の参拝客が訪れていたといわれています。

まあ、現代のテーマパークのようなものであったかもしれませんね。

ーーなるほど、そのあたりを詳しく教えてください。

志村さん:なぜ多くの参拝客が訪れるようになったのかというお話ですが、戦国時代の大山には多くの修験者(山伏)といわれる人たちがいまして、その人たちは徳川家康と対立をしていて、武装勢力のようなものだったんですね。

しかし、江戸時代になり、その人たちは家康によって山を下ろされることになり、関東近郊に大山信仰を宣伝してまわる活動をしました。彼らのことを御師(おし)というのですが、彼らの活動により大山へ訪れる参拝客が増えたといわれています。

ーー彼らが営業マンとして大山信仰を宣伝してまわったことで多くの参拝客が訪れるようになったということなんですね。

志村さん:そうなんです。また、今でも大山のふもとには多くの宿坊が残っているのですが、これらは、当時の御師たちが作った宿坊が残ったものなんです。

ーーそんなに長い歴史のある宿坊が多く残っているということは知らなかったですね。

志村さん:江戸時代には160軒あったといわれている宿坊も今では30数軒です。しかし、日本ではこの御師が作った宿坊は各地にあったといわれていますが、組織的に現存しているのはこの大山だけといわれているんです。

(明治時代に御師は先導師と名前を変えています)

現存する大山の宿坊

※現存する宿坊です。看板に先導師と記載があります。

今でも大山には江戸時代の歴史、文化が残っているのです。

ーー江戸時代から今でも続く文化が残っているというのはとても興味深いですね!

志村:さらに、大山は歌川広重の「東海道五十三次」をはじめとして多くの浮世絵の題材となっていますが、じつはゴッホが書いた「タンギー爺さん」という有名な絵画にも描かれているんです。

ーーそうなんですね!知りませんでした。。

志村さん:タンギー爺さんの背景にある富士山の手前に描かれている山が大山なんです。もし、ご覧になる機会があれば探してみてください。

■もっと大山の魅力をアピールしていきたい!

ーー今の大山についてお話をお聞かせください。

志村さん:私たちは神奈川県の横浜、鎌倉、箱根に続く第4の観光地を目標に、大山の魅力を多くの方に知ってもらう活動に力を入れています。

近年では文化庁が定めている日本遺産に認定され、ミシュラングリーンガイドでは阿夫利神社下社からの景色が星二つをいただくなど、さまざまな観点から評価をいただくようになりました。

ーー実際にどのくらいの方がいらっしゃっているんですか?

志村さん:現在では、年間で約100万人の方がいらっしゃいます。近年の登山ブーム、さらに東京からのアクセスの良さから多くの方が日帰りで登山、ハイキングを楽しんでいます。

とくに、GWなどの新緑シーズンや秋の紅葉シーズンなどは本当に多くの方がいらっしゃいます。

紅葉と阿夫利神社

紅葉がとても素敵な阿夫利神社のお写真をお借りしました。

しかし、今後は大山のもつ歴史や文化を楽しんでいただく目的でも訪れていただけるようにアピールをしていきたいですね。

ーー長い歴史をもつ大山だからこそ体験できることが多くありますよね。

志村さん:また少し歴史のお話になりますが、江戸時代には大山参拝に行くことを大山詣り(おおやままいり)と言っていたのですが、当時の人は、同業者や、町内会などで集まり、大山詣りの費用を積み立てる「大山講(こう)」と呼ばれる組織をそれぞれで作っていました。

その大山講の一行、いわゆる講中は、決まった宿に宿泊して大山詣りをしていたので、今でも各宿の前に講の名前と所在地が書かれていますので、ぜひ見てください。

講の記載がある宿坊

※入口に「東京 御賽講」と書かれていることが確認できる宿坊

また、当時の参拝者が山に入る前に身を清めたといわれる滝がいくつも現存していますね。

車やバスで大山に行かれる方が多いと思いますので、見逃されてしまうかもしれませんが、こちらも歴史を感じられると思いますよ。

大山の愛宕滝

※参拝者が身を清めたといわれる滝のひとつ「愛宕滝」

ーーそういった歴史を知るとより魅力的に感じますね!

志村さん:はい、そうですね。しかし、宿泊をされる方がそれほど多くないということなんですね。

そのため、最近は大山の歴史・文化をより知っていただくために、学生向けに江戸時代さながらの体験ができる教育旅行を企画し、受け入れを行っています。

具体的には、大山詣りの際に講中が着ていた白い行衣(ぎょうい)を着て登山し、納め太刀をし、宿坊に泊まっていただく企画を行っています。

納め太刀というのは、大山に太刀を納めて祈願をする大山に残る庶民信仰のことなんです。納め立ちの起源は源頼朝が大山寺に太刀を奉納し、武運長久を祈ったという言い伝えからきています。このことから江戸時代には多くの参拝者が巨大な木太刀(きだち)を担いで奉納することが粋であったようなんですね。

この文化を継承して、木太刀のレプリカを用意し、奉納をしてもらうということも行っています。

御衣を説明する志村さん

※実際の行衣を説明してくださる志村さん

ーー歴史を体感できるというのはとてもすばらしいですね!ほかに志村さんが個人的におすすめのポイントを教えてください!

志村さん:大山は、雨降山と呼ばれるほど山頂付近は多く雨が降るのですが、冬には雨が雪に変わります。そのため、冬の山頂付近は1m程度の雪が積もった雪山として楽しんでいただけるんです。注意点としては、しっかりと雪山用の装備をしていただく必要はありますが、こんなに近くで雪山を体験できるというのはおすすめです!

また、7月27日~8月17日までの間は夏山シーズンですので、講中の方々が行衣を来て多く訪れます。江戸時代から続く文化を見ることができますのでこのタイミングもおすすめですね!

ーーなるほど、新緑や紅葉シーズン以外にもしっかりと見どころがありますね!すばらしいです!

志村さん:あとは、大山は豆腐料理が有名ですので、豆腐料理も食べていただきたいですね。

ーー大山は豆腐が名物というのは聞いたことがありますが、どういった経緯で名物なんでしょうか?

志村さん:大山は水がとてもきれいで、参拝者が宿坊にお米や大豆を納めたことから豆腐が名物となったようです。また、登山の際に豆腐を手の平に乗せて、水分補給をしたなんてこともいわれていますね。

ーー豆腐にも歴史的な背景があるんですね。大山はすごいなぁ。

志村さん:とても歴史のある大山ですので、みなさんにもこのことを広くお伝えできるよう今後も情報発信していこうと考えています。

ーー歴史が深く、さらにその歴史、文化が随所に残っている大山の魅力を知ることができました。このことはもっと多くの方に知っていただき、大山の新しい魅力として体験していただけるといいですね!

本日は、ありがとうございました!これから大山に行って撮影してきます!

 

▼伊勢原市観光協会のホームページに大山の情報が満載です!

http://www.isehara-kanko.com/

 

 

編集部のひとこと

インタビューにお応えいただいた志村さんの人柄がとても温かくて、大山が大好きなんだということを感じられるインタビューでした。個人的に大山ってとても身近ではあったんですが、これほどたくさんのストーリーがあるとは知らなかったので、新しい発見ばかりでした。みなさんも週末のお休みに大山詣りはいかがでしょうか?悠久の歴史を体感できること間違いなし!

 

編集部メンバー

編集長
かなさん

ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。

ライター
せいくん

家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。

ライター
ゆめちゃん

好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。

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