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輝く女性インタビュー

「保育園きのね」に根付く保護者と保育者の共同運営とは?高澤佳栄(たかさわよしえ)園長にお話を聞いてきました!

保護者と保育者で共同運営する「たつのこ共同保育所」が前身である川崎認定保育園「保育園きのね」の高澤佳栄(たかさわよしえ)園長にお話を聞いてきました!

経営者のいない保育園とは?独特な運営体制とは?ほかの保育園との違いは?など、あれやこれや聞いてきました。そこには、40年以上の歴史を支えたたくさん保護者、保育者の情熱と、たくさんの子どもの笑顔がありました!

聞き手:たいせつじかん編集部

「保育園きのね」の高澤佳栄(たかさわよしえ)園長

「保育園きのね」の高澤佳栄(たかさわよしえ)園長

■みんなで決めるという伝統がこの保育園には根付いていた

ー保育園きのねは保護者と保育者が共同で運営されている保育園であるとうかがいましたが、その点についてお聞かせください。

高澤さん:月に1度開催される運営会に保護者と保育者が参加して、運営に関するほぼすべてを決めています。何にお金を使うのかという出費に対する決定、どのように行うと効率的なのかなど行動指針の決定などはすべてこの運営会で決めます。

さらに、最近では参加者がいくつかの委員会に分かれていて、それぞれの委員会で決めたことを運営会で共有し、是非を問うやり方にしてからは、より決定が早くなるようになりましたね。

ー他の保育園と大きく違うことは経営者がいないということなのかと思いますが、いかがでしょうか?

高澤さん:経営は会社が行っています。そもそものきっかけは、およそ40年前に保育者2名と保護者1名で、子ども4人の保育を始めた「たつのこ共同保育所」の開設にさかのぼります。経営者はおらず、保護者と保育者で話し合って運営してきました。

しかし、保護者は長くても3年程度で入れ替わりますし、保育者も結婚や出産・親の介護など各自のライフスタイルの変化に応じて入れ替わります。また、運営資金の問題で何度も存続の危機があったようです。

その都度、みんなで協力しあって運営を続けてきました。運転資金については、大規模なバザーをやったり、保護者の方の寄付であったり、賞金稼ぎにクイズ番組に出ようとしたという話もあるくらいです!

ーなるほど、なんども運営者が変わりながら40年間続けてきたんですね。

高澤さん:満40年経った昨年の3月、共同保育所としての存続は諦めました。そして、同年4月からは、残ったメンバーがインブルーム(株)の出資を受けて新たに会社を設立し、ブルーミングキッズ(株)の経営する保育園きのねとして、再スタートを切ったのです。

ーそれでも、この共同運営というスタイルは変わらなかったんですか?

高澤さん:保護者と保育者が、今ここにいる子どものために何ができるか一生懸命いっしょに考えること、そして、信頼関係を結ぶことこそが、質の高い保育をするために必要と考えています。会社のほうには、現場のことは保育者と保護者にお任せいただきつつ、運営会に参加していただいて、すべての状況を共有しています。

この運営体制が、この保育園の良さだと思っているので変えなかったんですね。

■子どもたちにとって自由な環境で保育をしたい

 保育園きのねの園児募集用のチラシ

園児募集用のチラシも保護者の方がデザインされたそうです。とても保育園きのねの雰囲気が出ていますね。

ー保育方針について、お聞かせください。

高澤さん:子どもたちが五感を研ぎ澄まし、自分で判断し行動できるようになってほしいと思っています。ですので、こちらが何かを制限したりせず自由に行動できるように心がけています。

「〇〇をやってはいけない、〇〇は危ないから過剰に守る」ということはなるべくしないようにしています。冒険したり、危険に挑戦しながら育っていってほしいですね。

また、人に迷惑をかけたり、傷つけたりすることはいけませんが、そうではない場合は、こうしたいということを自由に発言してほしいと思っています。

いっしょに運営することを通じて、ケンカになっても物別れに終わらず、お互いに意見が言い合えるようになる。そういったコミュニケーション能力が育っていくと考えています。おとなも一緒に育つ保育園です。子どもたちは、そんなおとなの背中を見て育つと信じています。

ーなるほど、行動についても発言についても、自由に自己主張ができるようになってほしいということなんですね。

高澤さん:そうですね。とても大切なことだと思います。そして、子どもたちに自由な環境を保障していくためにも、運営体制として保護者と保育者の共同運営体制を続けていくことは必要だと思いますね。

ー1日の過ごし方はどのような流れなんですか?

高澤さん:お昼とお昼寝はある程度決まった時間に行わなければいけませんので、それ以外は、その日の天気や、その日の子どもたちの様子を見て決めています。

面白い話ですが、公園に行くはずが途中にある高齢者の施設にみんなで行っていっしょに遊ぶということもありました。公園に行く途中にもたくさんの発見がありますから、その時々で保育者が子どもたちといっしょに楽しんでいます。

■子どもの今を大切にしたい

保育園きのねの園児たち

雨の日は外でお遊びできないからたいくつかな?

ー最後に、今後についてどのようにお考えですか?

高澤さん:そうですね。それはみんなで考え中です!(笑)

最近は見学を希望される親御さんが、多くいらっしゃっているので、とてもうれしいですね。しかし、お話をしたように保護者と保育者の共同運営をしている保育園ですので、大変なこともありますから、みなさんにはじっくり考えて決めていただくようにお伝えしています。

ーお子さまを預けるだけではなく運営に携わるということですから、だれでも大丈夫ということではないですもんね。

高澤さん:そうですね。あとは、保育園や幼稚園を選ぶ時は、子どもの将来から逆算して園を選ぶということが多いと思いますが、私たちは子どもの今を大切にしたいと考えていますから、そういったことに共感していただける方にもっとこの園を知っていただけるといいですね。

ーわかりました。今日はありがとうございました。

編集部のひとこと

ライター

せいくん

取材のため保育園きのねに到着した時の印象は、「普通の一軒家だ」でした。しかし、耳を澄ませば子どもたちの声。お邪魔した瞬間にカメラマンはもみくちゃにされていました。みんな元気だ。みんな笑顔だ。みんな仲良しだ。一目見ただけで保育園きのねの雰囲気がわかりました。子どもって不思議ですね。

高澤さんのお話もとても自然体で、力が抜けていて、お話を聞いていてとても楽しかったです。「子どもの今を大切にしたい」けど、子どもの将来を考える親の愛もとても大切とおっしゃる高澤さん。

子どもの教育に関する考え方は本当に千差万別だから、いろいろあるなかから選べるといいなと思いました。そんな選択肢の中に保護者と保育者の共同運営の保育園きのねがあります。

子どもたちはずっと元気でした。カメラマンは、すっかり人気ものだったなー!


編集部メンバー

編集長
かなさん

ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。

ライター
せいくん

家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。

ライター
ゆめちゃん

好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。

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