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輝く男性インタビュー

鎌倉在住の音楽ユニット小川コータ&とまそんさんに地産地消の音楽活動をする理由についてインタビューしてきました!

小川コータ&とまそん

小川コータさん(左)と、とまそんさん(右)

2011年から鎌倉を中心に活動をスタートした音楽ユニット「小川コータ&とまそん」さん。彼らが地元に還元できることを考えた結果、地産地消の音楽を作ることにしたというおふたりの結成秘話から、曲づくり、今後の展望についてお話をお聞きしました。

老若男女に愛される彼らの音楽には、懐かしさや優しさが溢れています。そこには、万人に売れる音楽だけを追い求めるのではなく、ローカルを突き詰めていくことで見つけた新しい音楽との向き合い方がありました。

聞き手:たいせつじかん編集部

■鎌倉で出会ったふたりは、鎌倉で音楽活動をはじめる

材木座海岸でのインタビュー

とまそんさんの地元の材木座海岸でお話をうかがいました。 

ーおふたりはどのように出会い、なぜユニット活動を開始されたのか教えてください。

コータさん:僕が、東京から鎌倉へ引越しをしてきたのが2010年だったんですね。当時は、知り合いがいなかったのでひとりでカフェや飲み屋に行っていて、鎌倉の大町にあった飲み屋に入ったら、とまそんも同じくひとりで飲みに来ていて、店主が、ミュージシャンという共通点を見つけて話を振ってくれたことが出会いのきっかけですね。

その後は、僕のライブのサポートをしてもらっていたのですが、2011年の震災が起きた後に、いっしょに復興支援ソングを作ったことをきっかけにユニットとして活動をはじめました。

ー出会いが鎌倉なんですね。おふたりの楽曲にはたくさんの鎌倉の地名が出てきますね。なぜこのような地元に密着した楽曲制作と音楽活動されているのでしょうか?

とまそんさん:僕は、鎌倉の材木座が地元なのですが、20歳のころから東京に出て、音楽活動をしていました。父親の体調が悪くなったのをきっかけに、材木座に戻りました。

材木座に戻った後も、音楽の仕事で東京へ行ったり、ライブツアーのために全国を周ったりしていたのですが、地元にいる時間がほとんどないのがもどかしく、せっかく材木座に住んでいるんだから、何か地元でできる音楽の形はないかと考えるようになっていたんですね。

そう考えていくうちに、地元の歌を作り、歌うことが自分にあっているということに気付き始めたんです。

食材には「地産地消」という考え方がありますが、音楽でも「地産地消」みたいな活動ができたらいいなと思うようになりました。

コータさん:僕は地名の出てくる歌が好きなんです。行ったことがない土地の歌でも、なぜか情景が浮かび、懐かしさを感じるんですよね。

以前、新潟に自転車で旅行に行ったときに知り合ったおじいさんたちが、行きつけのスナックで、地元の橋や川が出てくる演歌を歌っていたんです。自分の住んでる場所の歌があるってなんかいいな、と思って。

全国の誰もが普遍的に共感できる恋の歌もすばらしいです。でも、ローカルな地名を出すことで地元の人、その地名に思い出がある人とリンクするような歌は、ちょっと前にはたくさんあったと思います。民謡でもそうですし、演歌でもそうですが、音楽はもっと地産地消されていたのではないでしょうか。

とまそんさん:今は、次々に新しいものができますが、その陰でなくなってしまうものもたくさんあるんですよね。。

でも、そのなくなったり、忘れたりしてしまう物や感情をその時の感動のままに残して置ける音楽ってとてもすばらしいと思います。

ー確かに、歌を聞くと思い出とリンクすることって多いですよね。その歌の地名が出てくるとより具体的に感情とリンクするということはあると思います。では、実際に作るようになったきっかけはどのようなことなんですか?

コータさん:僕たちは、地元のお祭りやイベントでライブすることが多いのですが、そこに参加しているみなさんに喜んでもらおうと考えたことがきっかけですね。はじめは「由比ガ浜」をテーマにした歌を作りました。

そこからは、長谷の歌とか材木座の歌とかたくさん作ってきました。

とまそんさん:僕たちはは子ども向けに作ったつもりはないですが、地元のことを歌うと知ってる言葉がたくさん出てくるせいか、子どもたちも盛り上がって一緒に歌ってくれるんです。僕たちのライブでは子どもたちが駆け回っているなんてことがよくありますよ(笑)

ー「私たちの地元の歌も作って!」といったリクエストはありますか?

コータさん:そうですね。たくさんリクエストをいただきますね!

とまそんさん:どんどん細分化されて「材木座3丁目の歌」みたいなことになりそうですね(笑)

でも、これも地元の方が喜んでくれているということなので、とてもうれしいことですね。

■鎌倉五山での音楽フェスを開催する理由とは

きたかまフェス

今年で3回目の開催となるきたかまフェス

きたかまフェスのURL:https://www.kitakamafes.com

ー浄智寺・円覚寺で音楽フェスを開催されているとうかがいましたが、このフェスについて教えてください。

コータさん:そうですね、鎌倉五山のうちの浄智寺・円覚寺佛日庵の本堂や書院、瑞光殿という場所をお借りして、音楽フェスをするのですが、今年で3回目のイベントです。

そもそものきっかけは、北鎌倉にたくさんあるお寺を廻りながら音楽を聞くことができたらいいなという思いがはじまりですね。

ーお寺には、音楽ができるようなスペースがあるんですか?

コータさん:いや、音楽のためのスペースではないです(笑)。普段は手を合わせてご先祖様に感謝をしたり、法要が行われる神聖な場所である本堂をお借りしてライブをします。

とまそんさん:そもそも、こういった場所はふだんからイベントを開催さている場所ではなく、ルールやマナーがたくさんあります。都度、ご住職にご指導をいただきながら少しずつ信頼関係を積み上げて、3回目の開催まで続けさせていただいています。

コータさん:お寺には重要文化財もあるし、傷なんてついたら大変なんで、本来、ライブをするような場所ではないんです。

でも、ご住職が、お寺を開かれた場所するために新しいことも取り入れて行こうというお考えで、開催させていただいています。

ー出演者は、非常にキャラクター豊かな方々ばかりですね!

コータさん:そうですね、鎌倉に住んでいるアーティストであったり、鎌倉に縁があったり、お寺の雰囲気に合った音楽をされているなど、さまざまな方にご参加いただいています。

ー禅寺の本堂で開催される音楽フェス「きたかまフェス」は非常に楽しみです。

■小川コータ&とまそんの今後とは

アメリカヤの店先での一枚

材木座にある雑貨店「アメリカヤ」の店先で写真を1枚

ーおふたりは、子育て真っ最中とうかがいましたが、子育てにおいて大切にされていることはありますか?

コータさん:ミュージシャンになってほしいという思いはとくにありませんが、僕がミュージシャンであることで、さまざまな価値観をもつミュージシャンと接する機会も多いと思います。

音楽は言葉や国籍を超えたコミュニケーションができますし、世界を飛び回っているミュージシャンもいますので、色んな人と接して、「生きるちから」みたいなものを吸収しながら、大きくなってほしいなと思います。

とまそんさん:僕たちは、自分の地元で活動しているので自分の子どももライブを見に来てくれることが良くあるんですよね。この時間は子どもにとっても、僕の音楽活動にもプラスに働いていると思っていますので、続けていきたいなと思います。

ーミュージシャンの方がめざすべきものとしてのイメージですが、たとえば「紅白歌合戦に出て全国的に認知度ある楽曲を世に送り出す」のようなものがありますが、おふたりのめざす音楽活動はこれに対して真逆の考え方かなと思うのですが、いかがでしょうか?

コータさん:鎌倉に来て感じたことなんですが、カフェや飲み屋で即席ライブみたいなものが普通に行われるんです。東京に住んでいたころは、ライブはライブハウスでやるものであるみたいな考え方があったので、とても衝撃的でしたね。

でも、ライブが開催される場所の大小は関係なく、すばらしい音楽はすばらしいですし、自然とその場にすばらしい音楽が存在していることが素敵だなと思っています。新潟の橋が出てくる演歌が僕に刺さったように、鎌倉の海が出てくる歌が青森の人に刺さるかも知れないので、自然に広まったら嬉しいですね。

とまそんさん:音楽ってもともとは、みんなが集まって、適当に歌ったメロディーや歌詞が徐々に広まっていくということが自然に行われていたと思うので、音楽の原点に立ち返ってるような気がしています。

ー音楽において、聞き手と作り手の顔・生活が見える関係性ってとても新しいですね。

とまそんさん:そうですね。ミュージシャンが歌いたい歌を作って、お客さんにライブで聞いてもらって、良いと思ってくれたお客さんがCDを買ってくれて、感想を直接聞いて、また新しい歌を作ってというサイクルがうまく回るようになって、それが日本各地で行われるようになると新しい音楽の楽しみ方が増えるのかなと思います。

ー最後に今後のビジョンについてお聞かせください。

とまそんさん:最近はFMヨコハマの湘南エリア全域を紹介する番組のレポーターをやっていて、湘南エリアの色々な街に行くことが増えました。その土地土地の素晴らしい景色や、素晴らしい人たちに直に接すると、歌にしてみたいことにたくさん出会うので、エリアという意識を超えて、出会った人々やその土地の歌を作っていきたいなと思います。

ローカルを突き詰めていくと、全国の人に共感してもらえる歌が作れるような気がしているので!。

コータさん:日本全国を回って、その土地土地の歌を歌いたいですね。日本の多様性を歌にしていきたいです。

■番外編:おふたりの鎌倉のおすすめスポットを教えてください!

ー鎌倉の良いところってどんなところですか?

とまそんさん:住んでいる人の穏やかでピースフルなところが好きですね。きっと、こういった人たちが作り出す雰囲気があるような気がしていて、その雰囲気が好きですね。

コータさん:鎌倉に住んでいる人は、鎌倉を好きな人が多いと思うんです。だから、便利になることはいいことなんですが、それで好きな鎌倉らしさがなくなってしまうなら、今の鎌倉を守ろうという姿勢があると思いますし、良いものは守っていこうと努力をしているところが好きですね。

ーおふたりの鎌倉でのおすすめの場所をおしえてください!

ミルコーヒー&スタンド

とまそんさんのおすすめカフェ。材木座にある「ミルコーヒー&スタンド」

とまそんさん:材木座エリアがおすすめですね。観光地から少し離れていて、地元の人の生活に接することができるエリアだと思うのでおすすめですね。

鎌倉市農協連即売所

コータさんのおすすめ。鎌倉市農協連即売所。

コータさん:鎌倉市農協連即売所がおすすめですね。鎌倉野菜を作っている農家さんが直接販売しているので、おいしい食べ方なども聞けるし、色とりどりの珍しい野菜も並んでいるのでぜひ行ってみてほしいと思います。

ー今日はありがとうございました。

材木座の海に続く街並み

材木座の海につながる道を散歩して帰りました。

編集部のひとこと

ライター

せいくん

地元の人に喜んでもらえることを考えたら、地元の歌を歌うことだっというおふたりのお話でした。不特定多数の人に届けることよりも、目の前のお客さんを大切にしたら見えてきた新しい音楽の形。なんでこんなに懐かしくて、優しい歌になるのでしょうか?
それは、目の前にいる人の生活や、人柄、雰囲気を歌にしているからなのかなぁ。今度、おふたりの歌を聞きながら、湘南を散歩してみよう。きっと新しい出会いがあるはずです。

私は、おふたりの曲では「江ノ電ノート」が大好きです。週末に鎌倉行こう!

★新しい作品「鎌倉BEST」が2018年11月17日にリリース!

鎌倉の曲だけを収録した、タイトル通り「鎌倉BEST」なアルバム。
ライブでも定番の鎌倉ソングのほか、新規収録5曲を含む15曲入。
2018年に雑誌の企画から始まり大人気となったお散歩企画「ふらっと鎌倉さんぽ」で生まれたオリジナル絵地図のブックレットが付属し、絵地図のエリアにまつわる曲を多数収録。聴きながら絵地図を片手に鎌倉を散歩したくなる一枚。

編集部メンバー

編集長
かなさん

ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。

ライター
せいくん

家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。

ライター
ゆめちゃん

好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。

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