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輝く男性インタビュー

100の思考よりも1の行動で誰かの役に立つ喜びを感じてほしい。NPO法人もったいないジャパンの理事長・福田朗久さんインタビュー

NPO法人もったいないジャパンの理事長 福田朗久さんと寄付された火縄銃
※火縄銃には登録証がついています

2016年4月に設立されたNPO法人もったいないジャパンは、食品や日用品などのさまざまなものを集め、国内外問わず必要としている福祉団体や個人の方々に寄贈されています。

現在NPO法人もったいないジャパンで理事長を務める福田朗久さんは、小さなことからでもまずは行動してみようという理念のもと始めたことが、こんなにも必要とされていることだったとは想像できなかったとおっしゃいます。

勇気をもって踏み出した最初の小さな1歩がどんな1歩よりも大きな1歩となります。ぜひご覧ください。

 

聞き手:たいせつじかん編集部

 

■始まりは古本のリサイクルから

福田さんはNPO法人セカンドブックアーチの代表理事も務める

-今ではSDGsという言葉が認知され始め、環境保全にする意識が少しずつわり始めてきた印象がありますが、福田さんがこのような事業を始められたきっかけは何だったのですか?

福田さん:私は2年ほど前まで介護士として5年ほど介護の仕事をしていました。そのなかで介護の仕事をしながら何か別の事業ができないかなと模索していたところ、古いものが好きだったので本のリサイクル事業はどうだろうかと考えたのが始まりです。

もともと本が好きでしたし、介護士をしていたということもあり、最初はうつ病などの病気で働きたくても働けない状態にある人が1時間でも2時間でも立ち寄ってくれればいいなという思いでNPO法人セカンドブックアーチの活動を始めました。

-本はどのようにして集められたのですか?

福田さん:自分で購入したものもありますし、寄贈していただくものもあります。鎌倉高校からは、図書委員の人の家から本がたくさん出てきたので何か社会に役立たせることはできないかと連絡をいただきました。

それでしたらということでうかがったのですが、学校教員の方も巻き込んでかなりの本を寄贈していただきました。

その本は学校の図書室にも入りきらないような40年も50年も前の本で、なかには昭和23年のものもありました。

-昭和23年だと73年前ですか。かなり古いですね。

福田さん:そうですね。本は知識やおもしろさを伝えるものだと思っているので、資源としてリサイクルされるだけではなく、知識という形でリサイクルされることも重要なことだと感じています。

-たしかに、現代の人たちはその本の存在すら知らない可能性もありますよね。

福田さん:ほんとそうですね。それから、古本屋さんの組合があることを知ったのでそこに登録してみたら、次は九州の国立博物館から連絡があったんです。

-その連絡はどのような容だったのですか?

福田さん:鎌倉高校の方々からいただいた本の中に、現存、国立国会図書館に1冊だけある本があったようで、それを譲ってほしいという内容でした。

-えぇ!?なるリサイクルではなくなりましたよね!

福田さん:これは私も驚きましたね。鎌倉高校の方々もそれを聞いて非常に感激されていたそうです。

言い方は悪いですが、状態的には捨てられていてもおかしくないような本だったので、鎌倉高校からの問い合わせがなければ誰の手にも届くことなく焼却炉行きになっていたと思います。

それが、何か社会貢献できないかという思いから国の所蔵になったわけですから、本というものは本当に必要なところに行かされるんだなとあらためて思いましたね。

寄贈をきっかけに鎌倉高校の図書委員の生徒たちも活動を始める

-想像以上のお話で本にそんなことが起こるんだってびっくりしています。すごくいいお話ですね。では、それからもったいないジャパンへの活動へはどのようにして移っていくのですか?

福田さん:NPO法人もったいないジャパンは2016年4月に設立された団体で、前代表からもったいないジャパン代表の後任として仕事を教えてほしいという連絡がきたことがきっかけです。

それが2020年の3月くらいでしたかね。少し考える時間をもらいながら、月に5〜6回顔を合わせていっしょに活動をしていて、数カ月前にようやく承諾しもったいないジャパンの代表となり活動していくことになりました。

 

■必要としている人のもとへ

-もったいないジャパンのホムペジを見しましたが、おもに食品や日用品などを回し、必要としている方へ寄贈されているんですよね。寄付をしたいという方は多いのですか?

福田さん:かなり多いですね。個人の方も企業の方もたくさんいらっしゃいます。

-そうなんですね。私も生活をしているなかで必要ではなくなったものがたくさんあります。捨てるのはもったいないなと思いながらも、それをどうしていいのかわからなかったり、必要としている人がいるのかなと考えたりすることがあります。

福田さん:そう考えていらっしゃる方も多いと思います。

これは私が介護の現場で働いていてわかったことなんですが、介護施設やグループホームに入所すると月に10数万円かかります。

そこにおむつ代や備品代が別途実費でかかるわけですから、たとえばおむつが市からの支給分だけでは足りなくなったとしても買えない方がいらっしゃるんです。

そういう方は生理用品の布ナプキンを使い捨てにするのではなく、洗って2〜3回使うこともあります。

際に現場で目にされたんですね。

福田さん:現場で働いていたときは、一般の方や企業の方からこのような支援を受けられると思いもしませんでしたから、そういう現場を目の当たりにしてきて、やっぱり必要としている方々へ必要なものを届けたいと思うようになりました。

この活動を続けるなかで未使用のおむつを寄付したい、社会に役立ててほしいと支援してくださる方も実際いましたからね。

それを私たちが責任をもって国内の施設や施設を利用しているご家族、さらには海外だったり、ほかの支援ルートをもった信頼できる方に届けています。

-もったいないジャパンが、寄付したい方と物資を必要としている方のハブ的役割を果たしているんですね。
この活動をけてきて問題や課題を感じることはありませんでしたか?

福田さん:もちろんありますよ。やっぱりいちばんは私たちの活動費をどのように捻出していくかということです。だから、私たちのところへ寄付していただくにあたりある程度のルールを設けたりしています。

大きくはふたつで、寄付していただいたものを売ることがあるということ、寄付していただくものもこちらで必要なものかどうか事前に判断させていただくということです。

NPO法人として活動している以上、利益追求の活動をメインにしてはいけませんが、活動を続けるためにはどうしても活動費が必要です。

ですので、寄付していただいたものが100%そのままの状態で誰かのもとにすべて届けられるのではなく、いち部は活動費を捻出するためのものになりますし、その側面も理解していただける方に寄付をしていただいています。

もうひとつは、何でも受け取ることはしないということです。別の方法で処理をするとお金がかかるからという理由で寄付をされる方もなかにはいらっしゃると思います。

たとえそういう考えをもっていたとしても悪いことだとは思いませんが、私たちも保管をするのに場所やお金がかかってしまいますから、できるかぎり今必要とされているものかどうかという観点から判断をさせていただいています。

-寄付をするにあたって基本的にお金はかからないのですか?

福田さん:そのようなしくみにしています。寄付をする方、される方の誰のところにもできるかぎり負担がかからないようにということは考えています。

 

■その小さな1が大きな1になる

-さきほどげられた問題や課題を解決していくためには、寄付をする側の理解や配慮も必要になってくるんだなと感じました。

福田さん:そう思っていただけるとありがたいですね。ただ、私たちとしては、物資を必要としている方は国内外問わずたくさんいらっしゃると思いますので、そういう方と寄付をしていただく方をもっとつなげられるように、支援先を増やすことが課題解決に向けてのひとつの方法だと考えています。

支援先が増えることにより、必要としている物資の量や種類が増えますから、そうすると寄付したい方の声にこれまで以上にこたえられるようになります。

あとは、私たちの寄付先や活動記録をホームページに掲載し、視覚的にうったえかけていくことも重要ですね。

ものだけではなく、現金を寄付してくださる方もいますし、そういった方々にも寄付したものがそのあとどのように使われたのか、手元に届けられたのかということを報告することで、目で見て役に立てたと実感してもらえると思います。

-たとえば、自分が寄付した洋服を遠いところの誰かが着ている姿を見たときに感じる持ちは寄付をした時点では感じられなくて、きっと寄付をしたあとのことを知ることで感じられるものなんでしょうね。

福田さん:結局、人間は誰かの役に立つことに幸福感を得るんじゃないでしょうか。人間の特性にある承認欲求を満たすことができるいちばんの方法は、誰かの役に立って感謝されることなんだと、私は思います。

-おそらく1度でも寄付をしたことがある方は、選肢として頭の中に「寄付」が思い浮かぶのだと思うのですが、寄付をしたいけどまだ1度も寄付をしたことがない方に福田さんがアドバイスをするとしたらどのようなことですか?

福田さん:たとえば目の前に泣いている子どもがいたら、どうしたの?って声をかけますよね。極端に言えばそれと同じようなことなんです。だから、どんなことでも何かあれば連絡してみてほしいです。そのあとのことはそれからいっしょに考えればいいんですから。

-では、些細なことでもまずはホムペジから問い合わせてみてってことですね!

福田さん:はい、気軽にご相談いただければ。

私も介護士をやっていたときにまさか私の手元にやってきた古本が国立博物館に展示されるとは思ってもいませんでした。

もったいないジャパンに寄付されたランドセル

ただ、たくさん考えて悩んでいるくらいなら行動しようと思って行動した結果、今があります。どれだけ考えても行動にはかないませんし、100の思考よりも1の行動がとても重要です。

-起きてもいない先のことばかりを考えて行動しないのは本にもったいないことですよね。では最後に、福田さんの将来の夢をえてください。

福田さん:将来の夢は、自殺をする人をひとりでも多く減らすことです。

昔、私もすごく悩んでしまったことがあって、けれどこれ以上考えてもしかたがないので誰かの役に立てることをしようということがこの活動を始めた大きなきっかけでもあります。

結果的に、たくさんの方の笑顔を見ることができるようになりました。

だから、くよくよ悩まないでとりあえず1歩前に踏み出してみてほしいです。本当に小さな1歩かもしれないけれど、それが自分を変える大きな1歩になるかもしれないですし、実際に私はそうでしたから。

だから、悩んだりしたときは1歩前に踏み出してみるということをしてもらいたいなと思います。

-行動すればあとから結果がついてくるということですね!私もんだときは1踏み出すことを心がけてみようと思います。本日はありがとうございました!

 

編集部のひとこと

ライター

せいくん

私は、インタビューのなかで福田さんがおっしゃっていた、「本来世の中にごみは存在しないものなのではないか」という言葉がとても印象的で今でも心に残っています。

ごみって何なのだろうと考えたときに、自分にとって不要となったときにごみになるのではなく、誰かに必要とされていることを考えずに再利用することを放棄し、捨ててしまうことなのではないかと思いました。

だから、ものをごみとするのかしないのかは私たちの意識次第ですし、福田さんがおっしゃっていた「ごみは存在しないもの」は私たちの意識によって実現できる世界なのだと実感しました。

もし、誰かの役に立ちたいという思いやごみにしたくないというものがあれば、ぜひ1度もったいないジャパンやセカンドブックアーチに問い合わせてみてください。

その小さな1歩がきっと大きな1歩につながります!

編集部メンバー

編集長
かなさん

ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。

ライター
せいくん

家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。

ライター
ゆめちゃん

好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。

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