たいせつじかん ?ほっと一息。少し休憩。幸せな時間?

お出かけスポットインタビュー

開園56周年!次世代を担う子どもの健全育成のために作られた児童厚生施設・こどもの国の岩崎裕太さんインタビュー

こどもの国の岩崎裕太さん

1965年5月5日のこどもの日に作られたこどもの国は、今年で56周年を迎えました。

今回インタビューを受けてくださった岩崎さんも子どものころによくご家族でこどもの国に遊びに来られていたようです。

自分が子どものころに遊んでいた場所で、おとなになってからでも働きたいと思えるのはすばらしいことですし、それだけ魅力ある施設なんだと思います。ぜひご覧ください。

 

聞き手:たいせつじかん編集部

 

■園内各所には戦争当時の名残がある

こどもの国の歴史を話す岩崎さん

-はじめに、こどもの国が作られた経緯を教えていただけますか?

岩崎さん:現在の上皇陛下と上皇后陛下がご成婚された際に全国からたくさんのお祝い金が寄せられました。

両陛下はそのお祝い金を子どもたちのために使って欲しいとご希望されましたので、そのお祝い金を基金として子どもたちのための施設を作ることになりました。

-なるほど、そういう経緯があったんですね。では、なぜこの場所が選ばれたのですか?

岩崎さん:施設を作るにあたり大前提として広大な土地と自然が必要でしたので、候補地は全国から集められました。

そこからいくつかにしぼられていくなかで、ここはもともと第2次世界大戦の旧日本陸軍の弾薬庫として使われていた過去があり、戦後米軍が土地を接収してから手付かずの状態で残されていたので、この地が採用されました。

そして、1965年5月5日こどもの日に開園し今年で56周年を迎えました。

-戦争という悲しい歴史があり、その事実をきちんと受け止めながらも、これからは笑顔の溢れる場にしていきたいという思いも込められているのかなと感じます。

岩崎さん:そうかもしれないですね。こどもの国は公園やレジャー施設ではなく児童厚生施設がコンセプトとしてありますからね。

また、この地が弾薬庫として使われていたという話と関連性があるものとしては、こどもの国線も戦争当時の名残です。当時はこの線路を使って弾薬などを運び出していたようです。

ほかにも園内各所には弾薬庫の跡地や戦時中に使われていたトンネルをそのまま施設のいち部として利用しています。

当時のまま残されているトンネル

-あえて残されているということは、先ほどこどもの国のコンセプトを教えてくださったように、ただ遊ぶのではなく、肌で歴史を感じ戦争のない平和な世界をめざしてほしいという意味もあるのだと思います。そう考えると、56年以上もの歴史をもっている施設なんですね。

 

■自分のからだを使ってのびのびと遊ぶ

-こどもの国は児童厚生施設がコンセプトとのことですが、どういったところに特徴があるのか詳しく教えてください!

岩崎さん:こどもの国を作るにあたって自然があることが条件のひとつとなっており、児童を健全に育成するための厚生施設として運営しておりますので、なるべく自然を残すようにしています。

さらに遊具も自分のからだを動かしながら遊べる造りになっているものが多いです。たとえばローリングサイクルという乗りものは、レールの上を走りますが自動で動くのではなく自分の足でこいで進んでいく乗りものとなっています。

また、敷地も100ha(東京ドーム22〜23個分)の広さがありますので、周りを気にせず思いっきり遊べますし、緑にも囲まれていますので子どもたちだけでなく、ウォーキングコースとして利用しているおとなの方もいらっしゃいます。

-新型コロナウイルスの影響で外遊びをするときに人目が気になるようになったなかで、これだけの自然と広さがあると安心できますし、おとな子ども関係なく自然の中でからだを動かすことができるのはとてもいいですよね!

岩崎さん:当時はこのような世の中になるとは想像もできませんでしたが、そういった意味でもより今の時代にマッチした施設になっていると感じます。

 

■次世代へと受け継がれていく

-岩崎さんはどのような経緯でこどもの国で働くことになったのですか?

岩崎さん:私は、出身が横浜市内で小さいころから家族でよくこどもの国に遊びに来ていました。

そして大学生のころたまたま求人を見つけて、自分が子どものころに遊びに行っていたところで働ける機会はなかなかないと思ったので、応募したのがきっかけです。

-子どものころに遊びに来ていた場所でおとなになってから実際に働いてみて、何か感じるものはありましたか?

岩崎さん:10年ぶりくらいにこどもの国に来ましたが、やっぱり懐かしさを感じましたね。

当時のまま残っている遊具もあれば、なくなってしまった遊具もありますが、子どものための施設という本質的な部分では何も変わらずそのまま残されていると感じましたので、そこはうれしかったですね。

私は、最初イベントを担当する部署に配属されていたのですが、家族で参加した「サンマを炭火で食べる会」に主催者側として参加したときもいろいろな思い出が蘇ってきましたね。

あと、こどもの国ってこんなに広かったんだってびっくりしましたね(笑)。

全長約110mのローラー滑り台

-子どものときは遊ぶことに夢中で、広さとか考えないですもんね(笑)。これだけ広いとどこを回るか悩んでしまうと思うのですが、岩崎さんのおすすめコースはありますか?

岩崎さん:そうですね、まずは正面入り口からすぐのところにあるなかよし広場ですね。そこは、0歳から12歳まで遊べる遊具がそろっていて、フェンスで囲ってエリア分けもされているので、小さいお子さま連れのご家族の方でも安心して安全に遊んでいただけます。

-0歳から遊べる遊具ってめずらしいですね。

岩崎さん:公園とかではなかなかないと思います。

なかよし広場で遊んだあとは、白鳥湖でボートに乗って湖面に映る景色を楽しんでいただきたいです。紅葉の時期はとくにきれいで下から見上げることができるのでおすすめです。

あとは、こどもの国の売りでもある牧場です。都心に近い場所でこれだけ広い牧場はなかなかありませんので、そこで牛や羊にエサをあげたり、採れたてのミルクで作った牛乳やソフトクリームを食べたりして楽しんでもらえればと思います。

採れたてミルクで作られたソフトクリーム

最後は、落書き広場で好きなだけ落書きして遊んでください!1日の思い出を書くのもいいですし、好きなキャラクターを書いている方もいらっしゃいます。

日づけを書いて写真を撮ると記念写真にもなるので、思い出づくりにおすすめです。

-おとなになって落書きを見ると子どものころの記憶が蘇りますね。

岩崎さん:そうですね。私も子どもたちが書いたものを見るのですが、書かれているものを見て今これがブームなんだなとわかるのでおもしろいですよ。

こどもの国の落書き広場

-では、最後に読者の方々へメッセージをお願いします。

岩崎さん:コロナ禍で遊びに行きたくても行きにくくなったり、窮屈な思いをしたりしている方がたくさんいらっしゃると思います。

いつの日か以前と変わらない日常が戻ってきたときに、のびのびと遊べるこの空間で思いっきり遊んでいただきたいと思いますし、私は子どもたちが安全に遊べる場所やこの緑を次世代に繋げていくことが大事だと思っています。

今は中止しているイベントなどもなるべく密にならないように工夫しながら家族ごとに楽しんでいただけるようなイベントを提供できたらと思っていますので、ぜひご家族でお越しいただければと思います。

-今日はありがとうございました。

 

編集部のひとこと

ライター

せいくん

こどもの国は両陛下のご厚意により作られた児童厚生施設であると同時に平和を願った施設であるように感じました。

それは今では、旧日本陸軍の弾薬庫として使われていた場所には笑顔が溢れ、弾薬を運ぶために利用されていた線路もたくさんの笑顔を運ぶために利用されているからです。

現在は新型コロナウイルス感染症で多くの制限がありますが、いつの日か以前のようにたくさんの笑顔がこの世界に戻ってくることを信じています。

こどもの国は神奈川県横浜市と東京都町田市の境に位置しており、アクセスのしやすい場所となっていますので、ぜひご家族で訪れてみてはいかがでしょうか?

編集部メンバー

編集長
かなさん

ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。

ライター
せいくん

家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。

ライター
ゆめちゃん

好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。

あわせて読みたい