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お出かけスポットインタビュー

電車とバスの歴史をたどるだけではなく1日中遊べる!電車とバスの博物館 浦野光裕館長のインタビューです。

電車とバスの博物館の浦野館長

電車とバスの博物館 浦野光裕館長

東急田園都市線宮崎台駅の改札を出てすぐの場所にある電車とバスの博物館は、電車やバスの展示だけでなく、電車の運転シミュレーターなどさまざまな体験ができる人気のスポットです。

そんな電車とバスの博物館の見どころ、楽しみ方を浦野館長にお聞きしました!

ぜひ、お楽しみください。

※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、2021年4月29日(木)から当面の間、休館期間が延長となっております。(2021年5月24日現在)

 

聞き手:たいせつじかん編集部

 

ジオラマありシミュレーターあり。さまざまな視点から電車の世界を楽しめる

電車とバスの博物館について話す浦野館長

-電車とバスの博物館が作られた経緯から教えてください。

浦野さん:東急グループの前会長である五島慶太翁の意思として、東急線沿線にお住まいのみなさまに交通と街づくりの関係を理解していただくとともに、東急グループの電車やバスについてもたくさん触れて、知っていただく場所を作りたいという意向がありました。

それを実現する形で、東急創立60周年の1982年に東急田園都市線高津駅に造られました。

そのあと、2002年に田園都市線の複々線化工事があり、その影響で2003年の3月に現在の宮崎台駅に移転し、2016年に再度内装を含めリニューアルオープンをして、今に至ります。

-なるほど、もうすぐ開業から40年ですね。当初から古い車両を展示するというコンセプトは変わらないのですか?

浦野さん:そうです。当時から、玉電(東急玉川線)の車両は展示してありますね。昭和30年代の電車ですのでとても貴重な車両です。

 

展示されている東急玉川線の車両

-電車とバスの博物館の見どころをおしえてください!

浦野さん:たくさんありますので、ひとつに絞ることは非常にむずかしいですね(笑)。

小さいお子さまにも人気という点で言えば、3階のパノラマワールドにあるNゲージパークですね。ここでは、ジオラマの中を動くNゲージを運転することができますので、朝から並んで楽しむご家族がいるほど人気がありますね。

こちらでは、ご自身のNゲージをもち込んで走らせることも可能です。

また、HOゲージというNゲージよりもひとまわり大きいサイズの車両が走るパノラマシアターでは、音楽に合わせジオラマ内を車両模型が走行します。始発前から終電後までを再現する「東急線の一日」、現役車両を紹介する「東急で活躍する車両たち」、歴代の車両や地方で活躍した車両を紹介する「東急の名車たち」など各種プログラムも大変人気があります。

パノラマワールドのジオラマ。精巧な作りでびっくりです。 

-子どもたちには、ジオラマは人気なんですね。

浦野さん:そうなんですよね。そして、運転シミュレーターですね。

1階のシミュレーターワールドには、複数のシミュレーターがあります。小学生以上のお子さまを対象とした実際のモックアップの車両を使って実写の映像で運転ができる8090系シミュレーターと、小学生以下のお子さまでも楽しめる初心者モードのガイダンスモードが用意されている東横線CGシミュレーターがあります。

これも、ジオラマ同様にお子さまに大人気です。

シミュレーターでは、東急田園都市線、東横線、大井町線の3路線の運転体験ができるそうです。

-ジオラマで俯瞰して電車を見たり、シミュレーターで主観による運転席からの景色を見たりできるのはすばらしいですね。
では、館長が個人的に考えるここも注目してほしいというところはありますか?

浦野さん:そうですね、東急グループに東亜国内航空(TDA)という航空会社があったことをご存知ですか?

-そうなんですか!知りませんでした。

浦野さん:そうですよね。ご存知ない方も多いと思うのですが、のちに日本エアシステム(JAS)と社名変更しています。その当時所有していたYS-11という飛行機のコックピットが展示してありますので、これもぜひご覧いただきたいですね。

YS11のコックピットの様子

 

■東急電鉄OBが支えている

-旧高津駅の駅舎を再現した展示もとても印象的でした。 

浦野さん:そうですね。昭和30年代の駅が再現されているので、おじいちゃんとお孫さんでいらっしゃってなつかしく昔の話をされている姿を見かけますね。

ここには切符を切る入鋏ハサミや、駅員がホームで使う合図灯という信号など、今となればなかなか見ることがむずかしく、当時であれば当たり前であったものが展示されています。

じつは、ここで働いている職員のほとんどは、駅長や区長などを経験した東急電鉄のOBなので、お客さま以上に職員がなつかしんでいるんです(笑)。 

-えっ、では館長もどこかの駅長をやれていたのですか?

浦野さん:私は車両整備の部門におりまして、検車区長や新造車両・改造車両の設計担当をやっていました。

-では、本当の鉄道のプロフェッショナルたちがこの施設を運営しているんですね!

浦野さん:そうですね、みんな深い愛情をもって仕事に取り組んでいると思いますよ(笑)。

-でも、それを知ったら鉄道が大好きな子どもたちは職員の方にたくさんお話を聞きたがると思います。
話がそれますが館長が車両整備を担当されていたときのお話をお聞きしたいです!

浦野さん:そうですね、みなさんの興味がありそうなことをピックアップすると、ザ・ロイヤルエクスプレスという伊豆急行線を走る観光列車があるのをご存知でしょうか?あの電車の改造工事の設計を担当しました。

-1度だけ横浜駅で停車しているロイヤルエクスプレスを見たことがあります!すごい豪華な観光列車ですよね!その話も鉄道が好きな人にはたまらないお話のように思います。

浦野さん:こういった話であれば、ほかの職員もたくさんあると思いますよ。 

-もし、東急線について聞きたいことがあれば職員の方に聞きに来たらいいですね!
では、最後に館長として今後は電車とバスの博物館をどうのように盛り上げていきたいとお考えでしょうか?

浦野さん:今は、新型コロナウィルスの影響もありイベントがあまり開催できないことをとても歯がゆく感じています。

これまでは、たくさんのイベントを企画して開催している施設でしたし、私自身もイベントがたいへん好きなものですから、新型コロナウィルスが終息した際にはイベントをたくさん開催したいですね。 

-今日はありがとうございました。

 

編集部のひとこと

ライター

せいくん

私たちを遠くに連れていってくれる乗りものである電車やバスは、ロマンの詰まった乗りものです。それは、今も昔も変わらないのだと思いますが、この施設に来るとおとなから子どもまでロマンに包まれた時間を過ごせます。

電車とバスの博物館は、見たり乗ったりするだけではなく運転をしてみたり、構造を勉強したり、歴史を知ったりといろいろな観点から触れることができます。

遠出がむずかしい今だからこそ、楽しめる施設だと思います。次回のお休みに訪れてみてはいかがでしょうか?

編集部メンバー

編集長
かなさん

ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。

ライター
せいくん

家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。

ライター
ゆめちゃん

好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。

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