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輝く女性インタビュー

朝食を食べずに小学校に通う子どもたちのために朝食を作りたい!百合ヶ丘で「隠れ家和菜 たまり」を営みながら、子ども食堂も運営する粂田真里(くめたまり)さんインタビュー

隠れ家和菜たまりを営む粂田真里さん

「隠れ家和菜 たまり」の粂田真里さん

百合ヶ丘駅北口を出て徒歩3分の場所で「隠れ家和菜 たまり」を営む粂田真里さんは、幼少期のご自身の経験から、「地域の子どもを見守りたい。そして、子どもたちの居場所になりたい。」と強く願うようになり、2016年4月から子ども食堂の「たまり食堂」を始められました。

そして、将来的には朝食を食べずに小学校に通う子どもたちのために、小学校に入って朝食を作りたいと考えていらっしゃいます。

2021年4月で6年目になる「たまり食堂」は、新型コロナウイルスの影響を受け、当初予定していたイベントを中止せざるを得ない状況となりましたが、「やれることをやっていく」と、この状況を前向きに捉えられています。

粂田さんの行動力に驚かされました!ぜひお楽しみください!

※粂田さんは、「タマリ」という名でお仕事をされており、地域の方からもその名で親しまれておりますので、私たちもタマリさんと呼ばせていただきました!

 

聞き手:たいせつじかん編集部

 

■受けた恩は、ほかの人たちへ返す

子ども食堂「たまり食堂」の代表を務めるタマリさん

-2016年4月から子ども食堂の「たまり食堂」を始められたとのことですが、子ども食堂を始めたきっかけを教えてください。

タマリさん:私は幼少期から母とふたりで生活をしていて、母は働いていたので、私はさまざまなところで預かってもらっていました。

人里離れた母のふるさとの山中はもちろんのこと、7歳のときには千葉県の小さなお寺で預かってもらったこともあります。

-幼いころからお母さまと離れて生活されていたんですね。

タマリさん:お寺にいたときは、そこから小学校に通い、学校が終わると友達の家で遊んで帰るような生活を繰り返していましたね。

ときには友達の家で夕食を食べ、そのまま泊まらせてもらい、次の日は朝食も食べさせてもらって小学校に通うこともありました。

お寺さんも友達の家も本当に寛容で、たくさん助けてもらいましたね。

そのような経験から、おとなたちは案外子どもを守ろうとするものなのだなという、ある種人間に対する信頼のようなもの感じました。

-世の中捨てたもんじゃないなということに気づかれたんですね。

タマリさん:当時の私は幼すぎてそこまで意識していたわけではありませんが、そこで私も「こんなおとなになる」と思うようになりました。

そのあとも、さまざまな方にお世話になりましたが、お世話をしてくれた人から言われたことは、「私もいろんな人にお世話になったから、それをあなたに返しているだけなんだ。だから、あなたも私たちに返そうとせずほかの人たちに返してあげて。」ということです。

これは自分がなんとなく感じていた人間の摂理みたいなもので、私にそう思わせてくれる人たちがいたということに、本当に感謝しています。

-受けた恩は違うところに返すということなんですね。

タマリさん:そうです。それから「たまり」がこの地域に移ってからたくさんの親子さんとふれあううちに、私は「この地域の子どもを見守りたい。子どもたちの居場所になりたい。幼いころ自分が救われたその恩返しをしたい。」と思うようになり、子ども食堂を始めることにしたんです。

-それが、たまり食堂の始まりだったんですね。

 

■みんながこの地域の家族のようになれるもの

-たまり食堂を始めるにあたってどんなことを考えられましたか?

タマリさん:私ひとりでも最低10年続けていけるもの、そして作った料理を提供するのではなく、みんなでいっしょに作業して、いっしょに食べられるものは何かということを考えました。

そこで思いついたのが餃子作りです。この活動に集まってくれたボランティアさんとともに餃子の種まで準備して、子どもたちが自由に思い思いのユニーク餃子を作り始めます。

子どもたちが作るユニークな餃子

その餃子作品を私たちが預かって焼きあげたあと、子どもたちとボランティアさんたち全員でテーブルを囲み、みんなでごはんを食べるというものです。

食べ終わるころにはみんなが家族のようになっていて、求めていた形になっていました。

餃子作りを待ち望む子どもたちの手
※写真は新型コロナウイルスが流行する以前のもの

-餃子作り、とても楽しそうです!けれど、新型コロナウイルスによりこのようなイベントができなくなりましたよね。

タマリさん:残念ではありましたがこのような集まりは自粛せざるを得ませんでしたし、ほかにもやろうと考えていたこともいっさいできなくなりましたね。

それでもこの場を必要としている人たちはいるでしょうから、できないからやらないのではなく、このような状況のなかでもやれることをやろうと思い、月1回餃子弁当を販売することにしました。

-1回でどのくらいの数の餃子弁当を作るんですか?

タマリさん:1日100食です。餃子は1食あたり6個ですので、最低でも600個作っています。それでも手に渡らない方がいるので、作れるだけ作ります。

この前は、850個作り上げました。朝10時から、ボランティアさんたちと手分けしてだいたいひとり100個から200個包みます。お弁当ですから、そのほかに白米5升を羽釜で炊きます。このお米は寄付してくださる方がいて、いつも助かっています。

ボランティアのみなさんも、みな働いているなかで時間をやりくりしながらこの活動をしているので、月に1度実施するのが今のところ限界です。

-「できることをやる」というタマリさんのその精神に感服しました。この精神の源はどこからくるものなのでしょうか?

タマリさん:私は20数年、長男の縁で川崎の骨髄バンクのボランティアをしていたのですが、そこでボランティアの基本理念を学びました。

それは、「できることを、できる範囲内で、できるときに、やる。」というものです。

私はそこにもうひとつ、「そして、できうるかぎり続ける。」というものを付け加え、これが私の何かを始めるときの唯一のポリシーとなりました。

ボランティアは奉仕でも、滅私奉公でもなく自ら進んで行う行動であって、その意識の源には楽しみと喜びがあるはずだと考えています。

-子ども食堂を始めたのも、餃子弁当を始めたのも、タマリさんのポリシーが行動の源となっているんですね!

タマリさん:そうですね、先のことを考えて悩んでやらないよりも、まずやってみる。やってみて問題が出てきたら、そのときに初めて悩んで解決策を考えればいいと思っています。

-すばらしい考え方ですね。まずはやってみる!って、本当に大切なことだと思います。

 

■朝食を食べずに小学校に通う子どもたちのために

-これまでタマリさんのお話をお聞きして、どのような状況になっても前向きに捉えて、自分が今必要とされているのは何か考え行動されるのだろうと思うのですが、今後、タマリさんが描いているビジョンを教えてください!

タマリさん:まずは今後もこのたまり食堂を続けていき、さらに困難な時代がきたとしても子どもたちが無料で参加できるようにしていきたいと思っています。

そしてゆくゆくは小学校に入って、朝食を食べずに小学校に通う子どもたちに朝食を作りたいと思っています。

-朝の小学校で炊き出しをするイメージでしょうか?私が小学生のころはこのようなものはなかったように思いますが、現在このような活動をされている人たちはいるのでしょうか?

タマリさん:川崎市内ではわからないですが、実際にやっている人たちはいます。

-朝食を食べずに小学校に通う子どもたちは多いのでしょうか?

タマリさん:理由はさまざまだと思いますが、結構いると思います。

朝食を食べられないのは大きな格差だと思っていて、おなかをすかせた状態で勉強しても頭に入ってこないですよね。

-私だったら、お昼の給食のことばかり考えてしまうかもしれません。

タマリさん:麻生区は割と恵まれた地域だと思っているのですが、母子家庭は多いと言われています。

もし、小学校で朝食を作ることができれば忙しいお母さんたちも助かると思うので、これを実現させたいですね!

そのためには、今よりももっとたまり食堂の知名度をあげる必要がありますし、たまり食堂の体制も整えていって、子どもが子どもに「たまり食堂に行ってごらん」と言ってもらえる存在にしていきたいですね。

-タマリさんのパワーがあれば必ず実現できると思います!今日はありがとうございました!

 

■隠れ家和菜 たまりのご紹介

隠れ家和菜 たまりの外観

-陶芸家としての1面ももつタマリさんは、百合ヶ丘駅北口から徒歩3分の場所で佐渡をコンセプトにした「隠れ家和菜 たまり」を営まれています。
店内には、タマリさんの作品が置かれ、お料理は佐渡から直接仕入れている魚やお酒などを楽しむことができます!

店内のテーブル席。奥にはカウンター席があります。

佐渡の純米大吟醸「NOBU」

佐渡で造られている純米大吟醸「NOBU」

たまりのメニュー

「大人とこどもがいっしょにあそぼうゲーム」

-アットホームな空間でタマリさんのお料理が食べられますので、ぜひ足を運んでみてください!

 

編集部のひとこと

ライター

せいくん

新型コロナウイルスの影響でたまり食堂はいち時的に休止されていましたが、過去に実施したときのことを楽しそうに話してくださるタマリさんを見ていると、たくさんの子どもたちが笑顔になっていたのだろうと想像することができました。

タマリさんは過去の経験から、自分が今必要とされていることは何なのかと常に考えて行動されています。

そして、2021年5月10日には1年3カ月ぶりとなる子ども食堂が開かれます!

まだまだ気が抜けない大変な時期が続くと思いますが、タマリさんならどんな困難もきっと乗り越えていかれると確信しています。

タマリさんのことが気になる方は、ぜひホームページをチェックして、隠れ家和菜 たまりにも足を運んでみてください!

編集部メンバー

編集長
かなさん

ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。

ライター
せいくん

家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。

ライター
ゆめちゃん

好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。

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