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お出かけスポットインタビュー

自身が生まれた新横浜の街に昔ながらの空間を作り、街の活性化を図る!ラーメンの歴史を知り、伝えていくことが使命と語る株式会社新横浜ラーメン博物館の代表取締役 岩岡洋志(いわおかようじ)さんインタビュー

株式会社新横浜ラーメン博物館 代表取締役 岩岡洋志さん

2021年3月に28年目を迎えた新横浜ラーメン博物館は、岩岡さんの地元であるこの新横浜に駅前商店街のような空間を作りたいという思いから作られた日本で唯一のラーメン博物館です。

このラーメン博物館を作るにあたり、さまざまな地域のラーメンを視察した岩岡さんは、ラーメンにもそれぞれの歴史があり、その歴史を伝え残していく必要があると感じたと話します。

しょうゆラーメンやみそラーメン、とんこつラーメンなどさまざまな種類があるなかでみなさんのお好みは何ラーメンですか?

私は断然しょうゆラーメンです!!!

 

聞き手:たいせつじかん編集部

 

■自分自身でジャッジできる食べ物が「ラーメン」だった

新横浜の地域活性化を図るため、ラーメン博物館を作った

-「ラーメン博物館」という名前はすごくユニークですね。ラーメン博物館の実態などお聞きしたいことがたくさんあるのですが、まずは、ラーメン博物館が作られた経緯から教えていただけますか?

岩岡さん:私自身が新横浜の生まれなんですが、当時は次々に高層ビルが建てられていき、商業地域化が進んでいきました。飲食店も今ほど多くなかったように思います。

さらに、新横浜といえば「新幹線に乗るための場所」というイメージがどうしても強い気がしていたので、この「新横浜」という街にほかの目的をもって来てもらえるようにしていきたいと思いました。

そしてプロジェクトとして立ち上がったのが、この「ラーメン博物館」です。

-なぜラーメンだったのですか?博物館という名前をつけた理由も気になります。

岩岡さん:まず飲食店にしようと思った経緯からお話しすると、約30年前はベトナム料理やタイ料理などの世界の料理が日本に上陸し始め、話題になっていました。

このプロジェクトには「話題性」という要素が必須であると考えていたため、そういった飲食店はどうかといろいろ食べ歩いてみたのですが、世界の料理は自分にとって馴染み深い料理ではなかったわけですから、それが良いのか悪いのか、私の中での判断基準がありませんでした。

そこで、私の中で馴染みがあって、判断基準がある料理って何だろう?と考えたときに思い浮かんだのが、ラーメンでした。

-ラーメンは岩岡さんの中で判断基準がある料理だったんですね!

岩岡さん:小さいころからよく食べていましたからね。そして、当時の日本人もラーメンに関しては自分の好みをもっていてはっきり好き嫌いを言うことが多かったですから、ラーメンは世間的にも馴染みのある料理なんだという実感がありました。

それからというもの、もともとラーメンに詳しかったわけではありませんから、日本中のラーメン店に視察に行き、どんなラーメンがあるのか調査しました。

-調査してみて、どんなことがわかりましたか?

岩岡さん:各地で慣れ親しんだ郷土料理があるように、ラーメンにもさまざまなご当地ラーメンがあることがわかりました。さらに、訪れたラーメン店でお話を聞くと、老舗店の世代交代のお話などさまざまな歴史を歩んでいらっしゃるので、これは伝え残していく必要があると使命のように感じましたね。

ご当地ラーメンの名店が集う集合体であること、そしてラーメンの歴史を伝えていくこと、このふたつの機能をもっているのがラーメン博物館です。

歴史を伝えていく機能をもっているということから、「博物館」という名前をつけました。

 

■「來々軒」が日本初のラーメンブームを巻き起こす

明治43年に浅草で創業した「來々軒」

-ラーメンは、もともと中国から日本にやってきた食べ物なのだろうと思いますが、日本ではどのように広まっていったのですか?

岩岡さん:横浜の歴史だと、当時ラーメンは南京そばと呼ばれ親しまれていました。ですが、当時の方からすると、豚の独特なにおいや脂っこさがあり賛否両論分かれたそうです。

ですが、なぜラーメンが日本全国に広まっていったのかというと、明治43年に浅草育ちの尾崎さんという方が浅草で「來々軒」というお店をオープンさせ、それが大ヒットしたからなんです。

-大ヒットの理由はなんですか?

岩岡さん:それは日本人好みの味に変えていったということです。豚の独特なにおいや脂っこさをなくし、味はしょうゆベースです。当時の方の味覚だと天ぷらそばやあんかけそばが脂っこいという味覚なので、現代の脂っこいイメージとは違いますが、その「來々軒」のラーメンがブームを起こしました。

正月などの繁忙期には1日2,500人〜3,000人の来客があったと言われています。

-すごい数ですね!では、「來々軒」が日本初のラーメンなんですか?

岩岡さん:それについては調査を続けていますが、日本初かどうかはまだ確認が取れておりません。おそらく各地でラーメンのような食べ物はあったのだろうと推測しています。

ただ、私たちのこれまでの調査から協議をして、日本でラーメンブームを巻き起こしたのは「來々軒」であると発表しています。

今は戦前の歴史を調べていますので、戦前戦後の歴史を繋ぎ合わせてそれをデータと映像に残し、100年先まで残していきたいと思っています。もし100年後、ラーメンは日本の食べ物だったのかと疑問に思ったときに、歴史がわかる記録を残しておいてあげたくて、これが私たちがいちばんやりたいことなんです。

-今でこそ全国各地にラーメン店がありますが、そのきっかけになったのは「來々軒」のラーメンなんですね。すごくおもしろいです!日本でラーメンブームを巻き起こしたラーメンはどんな味だったのか食べてみたかったですね。

岩岡さん:それがじつは、創業者尾崎さんのお孫さんたちのご協力を得て、2020年10月14日にラーメン博物館で復活させたんです。

-えっ、「來々軒」のラーメンが食べられるんですか?

岩岡さん:はい、食べられますよ!これまで調査した時代背景から推測し、再現したラーメンを楽しんでいただけます。
※新型コロナウイルスにより臨時休館をしておりましたが、4月17日から営業再開しております。

-歴史を知り、さらにラーメンを食べることができる!とくに現代では、ただ食べるのではなく、これまでの歴史や背景を知ったうえで食べることが重要の要素のひとつであり、価値があるものだと思っています。
現在、ラーメン博物館では何店舗出店されているのですか?

岩岡さん:現在はコロナの影響で7店舗にしていますが、通常は9店舗です。

各地のラーメンが日本列島に!

-ラーメン店の選定に何か基準はありますか?

岩岡さん:ご当地ラーメンであることと何か影響を与えたお店であることのふたつが基準になります。また、ご当地ラーメンもある場所、ある地域に昔からあるようなお店であることとしています。

私たちの好みや主観ではなく、ラーメン業界に貢献してきたお店や人たちを紹介していかないといけないので、このような基準を設けています。

ご当地ラーメンも場所や地域によってさまざまな種類や特徴をもっていますが、なぜその場所で生まれて人気があったのか、歴史や背景を知ってもらったうえで食べてもらいたいですね。

 

■昭和のリアルな街並みを楽しんでほしい

-現在、新型コロナウイルスの関係で臨時休館中とのことですが、再開したときのラーメン博物館の楽しみ方を教えてください!

岩岡さん:ラーメン博物館には、歴史・展示ゾーンとラーメンが食べられる昭和の街並みゾーン、さらに新しく開設した青竹で麺が打てる体験ゾーンがあります。

まず来館したら、歴史・展示ゾーンでさまざまなラーメンの歴史を知っていただく。そして、地下に行くと昭和の街並みをかなり忠実に再現したエリアが広がっていますので、その雰囲気を楽しみながらご当地ラーメンを3〜4杯食べていただきたいですね。(ミニラーメンのご用意もあるそうです!)

体験ゾーンの再開は今後の状況を見ながら検討していきますので、再開したらぜひ体験していただきたいですね!

タイムスリップしたのかと錯覚するほど昭和の街並みがリアルに再現されています

-「ラー博倶楽部」という会員制度もあるんですよね?

岩岡さん:はい、条件を満たすとラー博倶楽部に入会できます!条件は、6カ月入場パス(500円)か年間入場パス(800円)をご購入いただき、期間内に3回以上ご来館いただければ条件クリアとなります。

ラー博倶楽部は、何度も来ていただけるお客さまからは入場料をいただかないという思いからできました。

-私もラー博倶楽部に入会できるように、条件クリアをめざします!では最後に、岩岡さんがラーメン博物館の中でいちばん好きな場所を教えてください!

岩岡さん:昭和の街並みの再現にはとくにこだわって作りました。郵便ポストやバイクは当時のもので、それ以外は私たちで作りましたから。天井の高さにもこだわっています。

いちばんを決めるのはむずかしいですが、挙げるとするならば当時のものを再現した電話ボックスですね。

岩岡さんお気に入りの電話ボックス

-細かいところまでこだわられているので、本当に昭和にタイムスリップしたのかと錯覚してしまいました。

岩岡さん:やっぱり、ちょっとしたことが嘘っぽさに繋がってしまうので、時間も労力もお金もたくさんかかりましたが、できるかぎりこだわりましたね。でも、このこだわりや大変さがよかったのだと実感しています。

-すばらしいですね!また、再開されたら私も昭和の街並みと雰囲気を感じながらラーメンを食べたいと思います!今日はありがとうございました。

 

編集部のひとこと

ライター

ゆめちゃん

岩岡さんのお話を聞き細部にまでこだわったラーメン博物館内を見て、新横浜を盛り上げたいという岩岡さんの情熱を真に感じることができました。

ご当地ラーメンが有名な地域としては、札幌、東京、博多などが挙げられるそうですが、福島県の喜多方では当時3万7,000人の人口に対して100軒ものラーメン店があったそうです。

インタビューでは、來々軒やそのほかのラーメンの歴史についてもお聞きしましたが、昔の人たちのおかげで今があるんだなとあらためて実感しました。

ラーメン博物館は4月17日から営業を再開されましたので、感染症対策を充分にとって足を運んでみてくださいね。リピーターになること間違いなしです!

編集部メンバー

編集長
かなさん

ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。

ライター
せいくん

家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。

ライター
ゆめちゃん

好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。

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