お出かけスポットインタビュー
- 都会にいながら自然や動物たちにふれあえる!”身近な動物園”がコンセプトの横浜市立野毛山動物園! 動物をとおして命の大切さを伝えていきたいと語る古賀里帆(こが りほ)さんインタビュー
野毛山動物園の古賀里帆さん
動物への理解を深めていただく入り口として”身近な動物園”をコンセプトとしている野毛山動物園は、都会にいながらも自然や動物を感じられる場所となっております。
今回お話をうかがった古賀さんは、動物との距離が近いことが野毛山動物園の特徴だとおっしゃっていましたが、間近で見る動物たちの迫力は想像以上でした!
そして、日本国内では野毛山動物園でしか一般公開されていない動物が2種類もいるそうです!
かわいい動物たちの写真とともにお楽しみください。
※取材日:2020年11月5日
聞き手:たいせつじかん編集部
■動物園デビューのための動物園
動物が大好きだと語る古賀さん
-野毛山動物園の入園料が無料ということにいきなり驚かされたのですが、まず野毛山動物園の歴史について教えていただけますか?
古賀さん:当園は、昭和26年(1951年)4月に「野毛山遊園地」という名称で開園しました。
その遊園地内に、数種類の動物を展示することから始まったのですが、昭和39年(1964年)に遊園地地区の地下に貯水池を増設するため遊園地を閉園することになったんです。
しかし、動物たちはいますので、動物園として展示を続けていこうと昭和47年(1972年)に「横浜市立野毛山動物園」と名称を変更し、横浜の中心に位置する”身近な動物園”をコンセプトに新たなスタートを切りました。
おかげさまで令和3年(2021年)4月には70周年を迎えます。
-今年の4月で70周年なんですね!動物を展示するようになった理由は何なのですか?
古賀さん:戦後の復興や動物たちに癒されることを目的に公園内に何種類か動物を展示したことがきっかけですね。
昭和24年(1949年)3月15日から6月15日まで開催された日本貿易博覧会から、動物園にシフトチェンジしていったようなかたちです。
開園当初に入園したのはインドゾウの「はま子」で平成15年まで人気者として親しまれていました。
それから、昭和41年(1966年)12月8日にチンパンジーの「ピーコ」が入園したり、昭和47年(1972年)5月26日に日本の動物園で初めてコンドルの繁殖に成功したりするなどして、少しずつ動物が増えていきました。
-現在はどのくらいの数の動物たちを飼育されているのですか?
古賀さん:レッサーパンダやキリンなどの哺乳類からペンギンやダチョウなどの鳥類、ヘサキリクガメやインドガビアルなどの爬虫類、ミヤコタナゴなどの魚類といった多種多様な生物を93種飼育しています。
-93種もの生物を飼育されているんですね!それを無料で見られること自体がひとつの魅力だと思いますが、それ以外で野毛山動物園の魅力をあげるとしたらどんなところにありますか?
古賀さん:動物との距離が近くてよく観察ができるというところも魅力のひとつだと思います。
さまざまな種類の動物を飼育しているので、それぞれのからだの作りや動きを細かく観察することができるんです。
また私たちは動物園デビューがしやすい動物園をめざしているのですが、敷地も広すぎず回りやすい広さになっているので、野毛山動物園が動物を好きになったり、興味をもったりするきっかけになればいいなと思います。
■希少種の繁殖に成功している
絶滅危惧種とされるヘサキリクガメ
-先ほどコンドルが繁殖したとおっしゃっていましたが、繁殖活動もされているのですか?
古賀さん:そうですね。やはり、種の保存も動物園の大きな役割なので、繁殖への取り組みも行っています。
生命の誕生に携わらせていただいているので、そこから生き物の命の大切さを伝えていければなと考えています。
また当園では、これまで数多くの希少種の繁殖に成功してきましたが、平成28年(2016年)5月には世界でもっとも絶滅の危機に瀕しているリクガメの「ヘサキリクガメ」の国内では初の繁殖に成功し、令和2年(2020年)2月と4月にも2頭孵化しました。
国内の動物園でヘサキリクガメを飼育しているのは当園だけです。
-繁殖の成功もすごいですが、ヘサキリクガメを飼育しているのは国内で野毛山動物園だけなんですね!ほかにも、じつは野毛山動物園でしか見られない動物はいますか?
古賀さん:南太平洋のニューカレドニア島に生息するカグーも国内で一般公開しているのは当園だけですね。
国内では野毛山動物園でしか一般公開されていないカグー
-そうなんだ〜。野毛山動物園で飼育されている動物の中で、古賀さんがいちばん好きな動物は何ですか?
古賀さん:いちばんはむずかしいですね(笑)。どの動物にもそれぞれの特徴や個性がありますから。
-愚問でしたね(笑)。では、質問を変えて、野毛山動物園で子どもたちに人気の動物を教えてください!
古賀さん:レッサーパンダは人気ですね!あとは、キリン、インドライオン、ペンギンなども人気です。
-どれも代表的な動物ばかりですね!わかりやすいものが好まれやすいのでしょうか。
でも、この結果が「動物園デビューの動物園」に表れているように感じます。それに加えてめずらしい動物も飼育されているので、より深掘りすることもできますし、子どもたちだけでなく親御さんたちも楽しめる動物園になっていますよね!
古賀さん:やっぱり実際に目で見る動物たちの迫力はすごいものがありますし、たとえばなぜキリンはあんなに首が長いのだろうと疑問に思って、自分で調べて学ぶ姿勢が生まれてくると思うんです。
そこから、ほかの動物だったらどうだろうかと、種ごとの違いや性格の違いを探してみてもらうとより楽しめるんじゃないかなと思います。
■自然を感じられる野毛山公園
昭和3年から昭和46年まで「野毛坂」を走っていた市電
-園内に入る前に近辺を散策していたのですが、自然が豊かで公園もあるので、公園も合わせると1日中楽しめるスポットになっていますね。
古賀さん:そうですね。お散歩感覚で動物にふれあいながら園内を回ることもできますし、公園ではピクニックなどで楽しむこともできると思います。
また、四季折々の季節を感じることができるので、都会にいながら自然や動物たちに出会える機会となります。
園内には授乳室やおむつ替えスペースもあるので、小さいお子さまをお連れの方でも安心してご利用いただけます。
「なかよし」広場では小動物とふれあうことができる
※新型コロナウイルス感染症拡大防止対応策として休止中(2月現在)
-なるほど!この設備はとてもありがたいですね!では最後に、まだ動物園デビューをしたことがない方や野毛山動物園に来たことがない方へ向けてメッセージをお願いします!
古賀さん:親御さんたちへは、まず子どもたちと動物たちのふれあうきっかけづくりをして欲しいなと思います。その入り口として当園にご来園いただけるとうれしいです。
そこでお子さまたちが興味を示した動物がいれば少し立ち止まって、会話をしながら観察していただけると良い時間を過ごせるんじゃないかと思います。
また、令和2年(2020年)3月(メス)と11月(オス)にはグレビーシマウマが来園しましたし、野毛山動物園のホームページのブログでも、動物たちのトピックスを日々更新しているのでそちらもご覧いただければと思います。
-無料とは思えないほど魅力的な動物園でした!本日はありがとうございました!
編集部のひとこと

ライター
せいくん
取材後、私も園内を回りましたが、古賀さんがおっしゃっていたように動物との距離がとても近く、ちょっとした仕草も見ることができ、子どもだけでなくおとなも楽しめる動物園だなと感じました。
檻から手を出して飼育員さんとコンタクトをとるチンパンジーの姿が印象的で、すごくいい光景でした。心で通じ合っていることを証明してくださった瞬間です!
開園時間は9:30〜16:30(入園は16:00まで)ですので、野毛山公園も合わせて楽しんでみてください!
- 野毛山動物園公式ホームページ:
- http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/nogeyama/
編集部メンバー
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ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。 |
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好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。 |