輝く男性インタビュー
- 兄弟で日の丸を背負ってドッジボールを世界中に広めたい!選手兼コーチとして活動する小林兄弟、兄の大(だい)さん、弟の元(げん)さんインタビュー
自チームでコーチをしながら、シニアチームで選手として活動する小林兄弟
左:兄の大さん、右:弟の元さん
小学生時代からドッジボールを続け、シニアチームABLAZE神奈川で選手として活躍しながら小学生チーム新星☆絆のコーチをしている小林兄弟のインタビューです。
2020年エジプトで開催される予定だった日本初出場のマルチボールワールドカップはコロナウイルスの関係で開催が見送られました。
でも、おふたりは次の大会に向けて準備を進めています!
これからも挑戦を続ける小林兄弟の熱いインタビューをぜひお楽しみください!
聞き手:たいせつじかん編集部
■まだまだドッジボールを続けたい
小学生チームの練習風景
-はじめに、簡単に自己紹介をお願いします!
大さん:私は、横浜桐蔭大学2年生で年齢は20歳です。小学3年生からドッジボールを始めて、6年生では小学生チームのキャプテンを務めていました。
中学に進学したときは部活動に入ろうか悩んだんですが、弟がまだ選手としてやっていましたから、自分もまだかかわっていきたいなと思って部活動には入らず、シニアチームに入ってドッジボールを続けることにしました。
そして、昨年はマネージャーとしてドッジボール日本代表の活動に帯同し、現在はシニアチームに選手として所属しながら、小学生チームのコーチをしています。
守備型の小林 大さん(兄)
元さん:僕は、光明学園相模原高等学校の3年生で年齢は18歳です。ドッジボールを始めたのは小学1年生のころからで、5年生からシニアチームの練習に参加させてもらい、6年生でキャプテンを務めていました。
高校に入ったら甲子園に行きたいと思っていたので中学生から野球部に入ったんですが、心のどこかにまだドッジボールがしたいという気持ちがあって、高校からはドッジボールに専念することにしました。
もともとからだがかたくてけがが多かったので、高校の部活動では新体操部に入り、パフォーマンス向上のための両立をしています。
昨年は日本代表候補中にギラン・バレー症候群を患って、残念ながら参加することができませんでした。僕も兄と同じように、現在は選手兼小学生チームのコーチとして活動しています。
攻撃型の小林 元さん(弟)
-おふたりとも日本を背負っている選手なんですね!大さんはこれまでドッジボールひと筋でやられてきていて、元さんはドッジボールが中心でほかのスポーツも経験されてきているということですが、おふたりにとってドッジボールの魅力ってどんなところですか?
大さん:努力すれば上達するし、成長を感じやすいスポーツというところですかね。
私がこれまで続けてきたのにはいくつか理由がありますが、どうしても小学生から中学生にあがるタイミングでドッジボールから離れてしまうことがあると思うんです。
でも、私はちょうどそのころに自身の成長を感じていて、まだ続けたいなって思ったんです。
-確かに小学生から中学生になるタイミングがひとつの分岐点になっていますよね。まだまだ成長できそうなのに、って思ったんですね。
大さん:これからもボールを取りたい!というように、からだが求めている感じでした。
-大さんは、投げるか取るかだとどちらが得意なのですか?
大さん:私は取る方が得意ですね!投げることもしますが、個人的にはボールをキャッチできたときが気持ちいいですね!逆に元は攻撃型です。
-おもしろい、兄弟で真逆なんですね!では、元さんはどうでしょうか?
元さん:僕は身体的な能力差が絶対にハンデになるとはかぎらないということですね。僕自身、身長が高い方ではないですが、それでもやっていけるし、そこはほかのスポーツにない魅力のひとつだと思います。
今は学校の先生やほかのスポーツ仲間と日本代表になることを約束したので、実現するまでは辞められないと思っています!
-なんか…すごく良いですね!
■マルチボールワールドカップで結果を出すこと!
参加できなかった日本代表チーム監督から贈られた元さんのユニフォーム
-先ほど、お父さまから現在ドッジボールには日本式の「ドッジボール」(シングルボール)と、世界大会が行われている「マルチボール」というまったくルールが違う競技があるとお聞きしました。シングルボールのドッジボールにもそのような大会はあるのですか?
大さん:もともとありましたが、もしかしたらもうなくなっているかもしれないですね。
シングルボールのドッジボールは世界で広まっているわけではなく、台湾や香港、韓国などアジアのいくつかの国と地域でしか競技としてやっていないんです。
ひとつのボールで試合をするシングルボールと複数のボールで試合するマルチボール
-そうなんですか、知らなかった。では、おふたりが日本代表になって世界で戦うとなった場合はマルチボールになるんですか?
大さん:そうなります。ただ、マルチボールの大会で日本が結果を出すことによってシングルボールのドッジボールを広めることができると考えています。私たちのベースにはシングルボールのドッジボールがありますから。
-マルチボールで日本が強いのは、シングルボールのドッジボールが基盤にあるからだ!ってなるだけで世界の方々は興味を示すわけですもんね!
元さん:そうですね!シングルボールのドッジボールを世界に広めたいですね〜!
-マルチボールのワールドカップが今年の7月に開催予定だったけれど、コロナウイルスの関係で延期か中止になってしまったんですよね?日本がその大会に出場するのは、今回が初めてだったのですか?
元さん:初めてです。前回は、ワールドカップ出場の1歩手前で負けてしまって出場できませんでした。
マルチボールの公式球
その当時はドッジボールの日本代表メンバーがそのままスライドする形でマルチボールの大会に出場していましたが、今回はマルチボール日本代表メンバーを昨年の10月からいちから選考し始めて大会に挑む予定だったんですが。
-そうだったんですね。今回の日本代表選手はどのようにして選考されていったのですか?
大さん:今回は全国で募集をかけて、書類審査、実技と面接を東西の各エリアで行い、そこで選ばれた選手を集めて強化合宿を行いました。最終的に残るのは25〜30名くらいですね。
-ワールドカップはどのようなサイクルで行われているのですか?
元さん:2年に1度、夏ごろに開催されます。予選会とワールドカップが毎年交互に行われていて、2022年はオーストラリアのメルボルンで開催される予定です!
■兄弟で日本代表選手になることをめざして
2015年に作られた小学生チームの新星☆絆
-おふたりは選手でありながら、小学生チーム・シニアチームでコーチとしても活動されているということでしたよね?
大さん:そうです、ふたりでシニア新チームを作り選手をしながらチームの育成をしています。
-シニアの新チームを作るきっかけは何だったんですか?
大さん:前に所属していたチームで、私が中学3年生当時キャプテンを務めていた方が仕事で来られなくなっちゃって、チームには私よりも年上の方がいたんですが、私がキャプテンを勤めることになったんです。
けれど、キャプテンとして何もできなくて、自分がキャプテンでしっかり責任を持ってやらないとだめだと思って、ずっとお世話になっていた方に相談しながら新チームを作りました。
ドッジボールはひとりではできないですし、必然的に下の世代の子たちを育成しないといけないんです。
元さん:上の世代の方々が私たちにドッジボールができる環境を作ってくれたように、下の世代にも作っていかないといけないですし、僕たちの経験を伝えていく必要があると思っています。
大さん:実際、まったく経験のない子たちに教えることは本当にむずかしいんですが、年齢や経験に関係なく、私たちの経験をつぎ込んでいこうとふたりで覚悟を決めてチームを作ったので、チームのために試行錯誤しながらやっています。
-いや〜本当にすごい、感心してしまいました。大さんは15〜16歳のころからコーチもしていたってことですよね?
大さん:正式には中学3年生のころだったので15歳ですね。
私が高校生になったとき、正直部活に入ってみたいと思ったんです。けれど、小学生チームができたばかりで自分がいないとほかに教える人が父しかいないし、ほっとけないという思いがあって結局部活には入らずでしたね。
-その若さで、というと失礼かもしれないですが、中学高校年代なんて自分の道を突き進むみたいなイメージがあるじゃないですか。その真っ只中で自分の夢を追うことはできても、下の世代のことを考えるってなかなかできないですよ。
元さん:なんでしょうね〜(笑)。
大さん:ね、なんなんだろう(笑)。
-では最後に、おふたりの今後の目標を教えてください!
2019年に香港で行われた大会の銅メダル
大さん:まずは選手として日本代表に選ばれることが目標です。前回は選手としては落選しましたけど、マネージャーで帯同してほしいと言っていただけたのでチームに帯同し、いい経験をさせていただきました。
ただ最初は悔しさや葛藤があって…けれど、チームが勝てばうれしくて同じように喜ぶし、負ければ同じように悔しいし。その経験から、やっぱり選手の立場で味わいたいなと、あらためて思うようになりました。
そしてもうひとつが、自分たちのチームで経験の浅い子たちを育成しながら自分がチームを引っ張って全国大会で結果を出すことです。
私たちが上の世代の方々に全国に連れていってもらったことを次は私たちが下の世代に繋いでいく番なので、それを実現したいです。これはある意味使命ですね(笑)。
元さん:僕は日本代表になってドッジボールを世界的メジャースポーツにすることと、日本代表に常に選ばれ続けることが目標です。
やっぱりドッジボールを世界中に広めたいとずっと思っているので、そのためには代表になって日本が結果を出すことが重要になってきます。その1員として活躍できればいいですね。
日本代表をめざす
-おふたりががんばれば日本ドッジボールのパイオニアになれると思います!今後のご活躍を期待しています!本日はありがとうございました。
編集部のひとこと

ライター
ゆめちゃん
どんなスポーツでも辞めるさまざまなタイミングがあると思います。ドッジボールではその多くが小学生から中学生になるタイミングとされていますが、小林兄弟の姿を見ておふたりのようになりたいと思う子どもたちが増えてくるのではないでしょうか?
おふたりのお話をお聞きして、すでに下の世代のことをこんなにも考えてられていることに驚きましたが、それは上の世代から受け継がれてきているもので、きっとこの先も受け継がれていくものなんだと思います。
そして小林兄弟は、2022年のワールドカップに向けてスタートしています!
兄弟そろって活躍する姿を拝見できるのを楽しみにしています!
みなさんも小林兄弟をぜひ応援してくださいね!
編集部メンバー
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ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。 |
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家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。 |
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好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。 |