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輝く女性インタビュー

ママが地域で働く場所を作ろう! ポジティブ思考がもたらす快進撃―NPO法人おもいやりカンパニーインタビュー【後編】

買い物支援と多世代の居場所運営を行うNPO法人おもいやりカンパニー。“働く”か、“働かない”かだけではない、子育て中のママが輝くための選択肢がここにあります!後編は、念願の「拠点」を手に入れた彼女たちが、これからめざしていくことをうかがいます。もっとも身近な「地域」という社会で、子育て中のママたちがめざす、理想の「地域」とは?

 

■子育て中のママの可能性

―今中学1年生のお子さんがみなさん同級生で、その子たちが小学校に上がったころから活動の種ができ始めたのですよね。

津ノ井さん:そうですね。東日本大震災のあとでしたから、2012年?2013年ごろ?そのくらいからケアプラザで部屋を借りて、不定期にサロンを開催していましたね。

根島さん:ケアプラザを上手に使えるようになったのは、もう少しあとだったね。ハロウィンを始めて何年目かのときから吉永さんが加わってくれて、パワーアップしたよね。

吉永さん:私は、「ちょっと人が足りないから手伝ってほしい」と言うから、「その日だけ手伝う分にはぜんぜん大丈夫だよ!」と言ったのをきっかけに、すごいはまり込んでしまった・・・(笑)。違う幼稚園に通っていたし、それまではぜんぜんかかわりもなくて、サークルのこともそのときに知ったくらい。

根島さん:強引に引きずり込みました(笑)。なんとなく、いっしょにやったら楽しいじゃん!と思ったから(笑)

吉永さん:ふたりとも下の子がいたし、限界があったので。私ができることがあるなら・・・という気持ちでお手伝いしたのです。

津ノ井さん:ずっとやりたいと言っていたすごいハロウィンも、なかなか現実にならなかったのが、吉永さんが加わることでサクサク進むようになっていきました。

―頼もしい仲間ですね。では、今のおもいやりカンパニーは何人くらいいるのですか?

津ノ井さん:全体で21名―理事・監事16名。ボランティアが5名います。そのなかで、じっさいに店舗の運営に関っているのはその半数くらいです。

私は全体の仕切り。根島さんは助成金関係などのむずかしいところ担当(笑)。吉永さんは外回り。そのほか、会計、チラシ作り係、SNS係、小箱ショップ係がいます。チラシのイラストは、私たち一人ひとりをイメージして描いたものらしいです。

根島さん:それと、お弁当やクレープ作りをやってくれるスタッフが6人ほど。あとはいっしょにマルシェを始めた方ですね。

―しっかり役割分担ができているのですね。そして、たくさんの人がかかわりながら運営しているのですね。今のスタッフさんは、どのようにおもいやりカンパニーにつながってきたのですか?

津ノ井さん:だいたいが・・・・一本釣りだね(笑)。前から知っているけど友達というわけではないという“知り合い“のなかで、「この人いいかも・・・」と思った人をずっと集めてリスト化していて、その全員に声を掛けていきました(笑)

お弁当を作ってくれているおばちゃんは、赤ちゃん学級から知っている人で、拠点ができたら「絶対入れる!」って思っていた人です。

―一本釣りがおもしろいように決まっていくのですね!
しかし、ここでの活動は“働くこと”とは違っていて、お給料などが保障されているわけでありませんよね。その場合、みなさんのような子育て中の方は、お子さんにお金がかかるので「普通に働いた方が得」と考える人もいらっしゃるでしょう。それでも“一本釣りの仲間づくり”がうまく進んだのは、なぜだと思いますか?

津ノ井さん:なんとなく価値観が似ているとか、考え方が似ていたのではないかと思います。

根島さん:たとえばPTA役員など、すでに無償の役割を担っている人たちは、私たちと似た状況や価値観をもっていると感じていました。たとえば、なかなか働けない状況であったり、社会や地域貢献的な活動に対して好意的にとらえてくださる方たちだったと思います。彼女たちとかかわって、やっぱり似ているな、近いな、と感じたら、ここのみんなと相談して、話をもって行くようにしていました。

―みなさん自身は働きに出ようとは思わなかったですか?

根島さん:(働きに出ようと)思ってたよね。普通にね・・・。

津ノ井さん:ねえ(笑)

根島さん:働きたいとは思っていたけれど、下の子はいたし。保育園代くらいにしかならないのに、保育園にまで預けて働くのも疑問でしたね。

津ノ井さん:休みたいときに休めないよとか、思っている以上に小学生は幼稚園児より家に帰ってくるのが早いよとか、だんだん働くことにネガティブになる(笑)。

だったら、自分たちで好きな時に休めたりする職場を作ったらいいじゃない?と思いましたね。好きな時に働いて、融通を効かせてもらえて。子どもたちはおばあちゃんたちと触れ合えて、それでいくらかもらえたら、すごい楽しくない?という感じ。

根島さん:今は地盤作りが大変ですが、この場所は、いずれはお金がもらえる事業にしていき、ママたちの働く場所を、この地域に作っていきます。

 

■「地力地消」―私たちがめざす“小さな世界で回る経済”

―2019年に実施したクラウドファンディングの紹介文でも、「子どもを育てながら、子どもや地域を見守り、自分たちの働く場を自分たちで作ります!」と綴っておられますね。具体的にはどのような構想がありますか?

津ノ井さん:学習支援や地域のお年寄りのニーズを賄えるくらいの弁当を作りたいと思っています。

根島さん:高齢者でデイサービスなどの通所に通っているのでお弁当受け取れないという人が結構いらっしゃると聞いていたので、そういう事情がある方にも、地域の私たちだからこそお弁当配達できるよね!と意気揚々としていたのですが、近ごろ、大手の配食サービスが、なんと通っているデイサービスまでお弁当配達に行っているという事実を聞いてショックを受けました。

吉永さん:狙いどころだと思っていた顧客層が、すでに大手のサービス圏内だったからね・・・。

津ノ井さん:でも、負けません(笑)

じつは私たちのなかで、ある人に言われたことがとても印象に残っています。

『小さな世界でお金を回すことはすごくいいことなのだ。

その小さな世界の中で経済を成り立たせることがいいことなのだ。

外部の企業が入るのではなくて、地元の君たちがニーズを賄い、その対価が若いお母さんたちにおりて、そこでぐるぐるまわっていくのが理想なのだよ』

私たちは、これをどうにかカタチにしたいと思っています。

根島さん:私たちはこの小さな世界で回る経済のことを地産地消ならぬ、「地力地消(ちりょくちしょう)」と呼んでいます。“地力”=地元のチカラを“地消”=地域で生かすという意味。

―小さな世界で回る地力地消の経済!すばらしいビジョンですね!そのビジョンを達成するために、さまざまな団体や事業者との連携も始まっていますね!

根島さん:たくさんの補助金・助成金を調査するなかで、生協やフードバンクなどともつながりができ事業が生まれ始めています。最初はケアプラザやアドバイザーさんにおんぶにだっこばかりの私たちでしたが、おもいやりカンパニー設立後は、自律的に情報を収集しながら動けるようになってきました。

―ママになってからは「働く」ということから遠ざかっていたけれど、必要な情報を収集し、相手にアクセスして事業を創りだすなんて!やはり、地域のママの力は、大きな可能性を秘めた宝物ですね!

―ここまでお話をうかがっていて、みなさん本当に明るいですね。しかし、昨年10月におもいやりハウスをオープンして、半年もたたないうちにコロナによる営業自粛。自分たち自身も、ご家族との生活に不安があるなかで、おもいやりハウスのことも心配で、いろいろ悩まれたのではないですか?

津ノ井さん:いえ、悩みません。

吉永さん:むしろ、この機に休んでしまえ!と。

根島さん:まち普請からコロナまで走り続けて、ほぼ休みがなかったので。とくにオープンして半年間はほとんど休みが取れずしんどかったので、この状況を充電期間にしています(笑)

―ものすごいポジティブですね。これだけ大きな建て物を借りようというときも、自分たちが運営していけるのか・・・など、リスクを感じたりはしなかったですか?

津ノ井さん:それがね・・・感じないのですよ(笑)。

吉永さん:そうないの。なんとかなるだろうという精神。

根島さん: ひとりくらい神経質な人がいればよかったけど、誰もいなかった(笑)

―ひゃー!想定を超えてきますね(笑)。ご家族はいかがでしょうか?大きな事業を始めることに対して、ご心配されませんでしたか?

津ノ井さん:いろいろありましたが(笑)

今は応援してくれています。

根島さん:さっきも言ったように、オープンして半年間は本当にしんどかったですが、今は無理なくやっているので大丈夫だよね。

吉永さん:子どもたちも、私たちが遅かったら、ふらっとここに来てクレープ食べて待っていたりします。こういう場所でなければ、そんなことできない。私たちにとっても子どもたちにとっても理想の働きの場。

―普通の企業にお務めだと、こうはいかないですよね。地元だから子どもが来れるし、みんなの居場所だから子どもが待てる。家族にとっては、いいことずくめの働き場ですね。これからも、ママたちが働く場所をめざして、楽しみながら活動を続けてくださいね。

みなさん:ありがとうございます。

 

編集部のひとこと

編集長

かなちゃん

「子育て中のママたちが快進撃を繰り広げている!」彼女たちのうわさは、いろいろな場所で耳にしていました。すごいキャリアのママたちだと思ってたら、最初は周りの人たちにおんぶにだっこで頼りきっていたということに驚かされました。
しかし、今回のインタビューでいちばん驚いたのは、彼女たちの超ポジティブ思考。「なんとかなるよ!」と、どんな状況でも不安を感じさせません。そして、それと同じくらい驚いたことは、津ノ井理事長は、「じゃんけんに負けた」ので、理事長になったということ。こんなふうに、固定観念にとらわれず、柔軟に、楽しく活動するおもいやりカンパニーなら、「小さな世界で回る経済」を実現し、ママたちの働く場所を地域に浸透させることができる!と思いました。

編集部メンバー

編集長
かなさん

ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。

ライター
せいくん

家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。

ライター
ゆめちゃん

好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。

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