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輝く男性インタビュー

会社を設立し、大学サッカーチームの運営とサッカーを通じた地域活性化に取り組む株式会社s&k代表の白須 真介さんインタビュー

國學院大學蹴球部の監督を務める白須 真介さん

小学校から始めたサッカーを大学まで選手として続けていくなかでさまざまな葛藤や挫折を繰り返し、現在は指導者の立場でサッカーに携わっていらっしゃる白須真介さん。

昨年の2月に自身の会社を設立し、チーム運営の組織化を図りました。チームの練習場があるたまプラーザ地域の方々を巻き込んだ取り組みを考えている白須さんのお話をお聞きし、私たちもチームのファンになりました。

ぜひ、お楽しみください。

聞き手:たいせつじかん編集部

■ゴールキーパーになったのは姉が理由だった

選手時代はゴールキーパーだった白須 真介さん 

-はじめに選手時代のポジションを教えてください。

白須さん:ポジションはゴールキーパーです。あまり見えないと言われますが、キーパーになったきっかけは私の姉でした。

-確かにゴールキーパーは意外でした(笑)。きっかけはお姉さんということですが、何があったのですか?

白須さん:サッカーは小学生から始めたのですが、私の姉は小学生のころから身長が160cmくらいあったので、君も大きくなるだろうと勧められたんです。本当はフィールド選手が良かったんですけどね(笑)。

-でも、全国大会で準優勝されましたよね?特殊なポジションですし、白須さんに向いていたんだと思います!

白須さん:確かに向いていたのかもしれません。けれど、中学、高校に進学するときに毎回次こそは!と、フィールド選手になることを諦めませんでしたが、なかなかポジションチェンジはできず、キーパーでやっていくことを決心しました。

最終的には、中央大学にキーパーとして入学することができましたので、キーパーを続けていて良かったと思っています。

-お姉さんにも感謝ですね!では、指導者の道はいつごろから考えていたのですか?

白須さん:ずっとプロサッカー選手をめざしていましたが、大学時代に指導者の道も考え始めるようになりました。

今思えば、プロの道をチャレンジしてダメだったら別の道へと選択肢を持っている時点でプロにはなれないですね(笑)。

大学卒業後は母校の中央大学でコーチとして手伝わせていただくことになりました。その後、サッカー指導者という仕事にどんどんのめり込んでしまって現在に至ります。

■サッカー指導は0からのスタートだった

フィールド選手の練習に混ざることで指導の幅が増えたと語る白須さん

-選手から指導者へ立場が変わって、変わったことは何ですか?

白須さん:すべて変わりましたね。当時中央大学には、毎日現場に出て指導できる人間が私しかいなかったので全体を見なければならなかったのです。

せっかく指導するなら全体を見たいという気持ちもありましたが、選手時代にキーパー以外の経験がなかったので、私もフィールド選手の練習に混ざり、猛勉強の日々でした。

-体験したからこそ伝えられる部分があるんですね。

白須さん:そうですね。実際にピッチに立ってプレーするのは指導者ではなく選手ですし、私たち指導者がイメージできていないこと以上のことは試合で表現できないと思っています。

キーパーの場合、ボールも敵も基本的には前からしかこないですが、フィールド選手ですと前後左右からくるので最初は本当に大変でした。

けれど、体験したことで選手の考えも理解できるし、問題解決にはどのような指導をすれば良いのかが具体的に考え伝えられるようになりました。

-キーパー以外も経験したことでさまざまな視点からサッカーを見られるようになったわけですね。指導者となってサッカー全体の動きを把握するという点では、キーパーからの視点と通ずるものがあると感じるのですが、実際のところはどうでしたか?

白須さん:その通りです。サッカーを縦か横のどちらで見るかの違いですから。高校の恩師に、「キーパーから見たイメージが実際にかたちになるから常にイメージを持ちなさい。」と言われていたことが、指導者になって理解できるようになりました。

-なるほど、キーパーとしての経験が指導者の仕事にも生かされているのですね。それでは、指導者を始めて現在に至るまでの指導経歴を教えていただけますか?

白須さん:大学卒業後、13年間は母校の中央大学に携わっていました。最後の3年間は監督としてチームを指揮していました。その後、1年間はサッカーから離れて別の仕事をしていましたが、そのときに現在の國學院大学からオファーをいただいて、2016年からヘッドコーチとして就任することとなりました。5年目となる今年からは監督となり、練習場のあるたまプラーザでサッカーの毎日です。

■國學院大學蹴球部を地域の方々からも応援されるチームへ

たまプラーザにある國學院大学の練習場

-指導を始められて今年で18年目、昨年からご自身で会社も設立されたんですよね。その会社では、具体的にどういった事業を展開されているのですか?

白須さん:はい、サッカーチームを会社で運営しようと思い、昨年の2月に法人化しました。メイン事業はチーム運営です。

ほかにも指導者の派遣業も展開していきますが、あくまでも國學院大学のチーム運営が中心です。

チーム運営に関しては、指導面だけでなく今後はスポンサーの募集やたまプラーザ地域の方々から応援してもらえるような組織づくりを考えています。

-なるほど、プロチームの組織体制に近い状態を作られたんですね。地域の方々に応援してもらえるように何か取り組んでいることはありますか?

白須さん:まずは、たまプラーザの近隣地域での認知度を高めることが重要だと思っています。そのために、昨年からイヤーブックの作成を始めました。

-イヤーブックとはどういうものなのでしょうか?

白須さん:イヤーブックは、我々蹴球部のことと地域の飲食店情報などが掲載されている蹴球部のガイドブックと地域情報誌を兼ね備えたものになっています。

地域のお得な情報と蹴球部の情報が掲載されている情報誌であれば、多くの方にご覧いただけるのではないかと考えています。

選手たちが使用しているサッカーボール

-それはおもしろい試みですね!知っている選手を見かけたら応援したくなるし、選手も応援されている自覚を持てばより練習に励みそうですよね!

白須さん:応援されて嫌な選手っていないと思いますし、私も応援したくなるチームにするために監督として結果を残していかなければいけません。

結果的に、サッカーを通じて地域の活性化に繋げられたらうれしいかぎりです!

■日本を背負って戦う未来のサッカー選手に向けて伝えたいこと

-これまで長く指導者を続けられていて辛い部分もあったかと思います。それでも続けられている原動力は何かありますか?

白須さん:中央大学の1学年後輩に、現在川崎フロンターレで活躍している中村憲剛選手がいたんです。

彼は学生のころから本当に努力家で今でもがんばっている姿を見ると、自分もがんばらないと!と勇気づけられるんです。

選手たちのことを嬉しそうに話す白須さん

じつは彼からかなりエネルギーをもらっています!あとは、単純に指導者が楽しいという部分もありますね。

-指導者が楽しいと感じる瞬間はどんなときですか?

白須さん:やっぱり選手の成長を感じるときですね。どんな選手も成長できるので、それを間近で感じられるのが指導者の特権だと思っています!

選手によって指導方法を変えている

-これはわが子を育てている感覚に近いんでしょうね。指導をするうえで気をつけている部分はありますか?

白須さん:これはサッカーだけに限らないと思うんですが、うまい下手にかかわらず人それぞれ良い個性があり、磨けばさらに良くなる部分があると思っています。ですから、それを引き出してあげられるような指導やコミュニケーションを心がけています。

-指導が自己満足にならないように、選手それぞれの最適解を常に考えていらっしゃるんですね。最後に、今サッカーをしている子どもたちに伝えたいことを教えてください。

白須さん:プロサッカー選手をめざしている子どもたちにはとくに「自分のなかで自分の壁を作らないこと」を伝えたいですね。自分ならできると信じて練習に取り組んでもらいたいと思います。

編集部のひとこと

ライター

ゆめちゃん

選手の成長を感じるときが楽しくて最高です!と語った白須さんですが、今年教え子の選手がJFLのチームに入団することになったそうです。

白須さんは選手のお話をされているときもまるで自分のことのように楽しそうで、その姿を見ると選手たちにも熱心に接しているんだろうなと感じました。

ぜひイヤーブックを片手に試合観戦に足を運んでみてください!

編集部メンバー

編集長
かなさん

ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。

ライター
せいくん

家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。

ライター
ゆめちゃん

好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。

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