輝く女性インタビュー
- 応援してくれる大和市のみなさんに恩返しがしたい!女子サッカーなでしこリーグ1部昇格に挑戦中の大和シルフィード 藤巻藍子監督と堀良江選手にインタビューしてきました!
大和シルフィード藤巻藍子監督
日本女子サッカーなでしこリーグ2部に所属する大和シルフィード。神奈川県大和市をホームタウンとし、日夜なでしこリーグ1部昇格に向けてチーム一丸となって挑戦を続けています。
チームのなりたちや、なぜ大和市をホームタウンとしているかなど大和市とは切っても切れないチームのお話を藤巻監督と堀選手にお聞きしてきました。
大きな壁に挑戦する彼女たちのお話は必読です!
ぜひお楽しみください。
聞き手:たいせつじかん編集部
【藤巻監督インタビュー】
■いろいろなスポーツに挑戦した学生時代
学生時代のお話をする藤巻監督
-藤巻監督がサッカーを始めたきっかけを教えてください。
藤巻さん:本格的にサッカーを始めたのは小学校5年生のときです。初めは少年団に入って男子といっしょに練習していたいのですが、このころに女子チームができたので男女両方のチームを掛け持ちしてサッカーをやっていました。
中学入学とともに、女子のクラブチームに所属し高校生まで続けて、それまでのサッカーの実績で日本体育大学に入学しました。
-なるほど、ずっとサッカー一筋だったんですね。
藤巻さん:中高ともに、サッカーはクラブチームでやって、中学ではバスケットボール部、高校ではソフトボール部に所属していたので、クラブチームと学校の部活を並行してやってましたね。
-あらっ、そんなにいろいろやっていたら大変じゃないですか。
藤巻さん:そうでしたね。でも、いろいろなスポーツをやってみたかったのでそういう形になりましたね(笑)。
さらに、大学でも別のスポーツをやろうかなって思っていたんですよね。でも、サッカー推薦で入学しているのでそれはだめだよと言われて、そこからはサッカー一筋で、サッカー漬けの毎日をおくりましたよ(笑)
-でも、いろいろなスポーツをされてきた中でサッカーを選ばれた理由はどんなところにあるとお考えですか?
藤巻さん:サッカーがいちばん難しかったんですよね。日々ミスが起こって、それを改善するために練習するということを繰り返すのでぜんぜん飽きないスポーツでしたね。
-では、そこから指導者の道を歩まれる経緯について教えてください。
藤巻さん:大学3年生のときに、アルビレックス新潟から声をかけてもらって、サッカーの指導者の仕事をしながら、夕方はアマチュア選手としてサッカーを続ける道につくことができました。それが、サッカーの指導者になるきっかけですね。
-では、大学卒業後もずっとサッカーに関わる仕事をされてきたんですね。
藤巻さん:そうですね、ずっとサッカーに関わった仕事をしています。
■大和市は女子サッカーが盛んな町。大和シルフィードのなりたち
チーム創設のきっかけとなった上尾野辺選手(左)と川澄選手(右)
-では、大和シルフィードはどのように立ち上がったチームなのかを教えていただきたいのですが、もともとは女子中学生を中心としたチームだったんですよね?
藤巻さん:2011年の女子ワールドカップ優勝メンバーの、川澄奈穂美選手と上尾野辺めぐみ選手は大和の生まれなのですが、彼女たちが中学校に上がってもサッカーが続けられるようにと作られたチームなんです。あのふたりのためのチームだったんすよね。
-当時から彼女たちは、サッカーが上手だったんですね。
藤巻さん:そうですね。すごくサッカーが好きで上手なのに、サッカーを続ける環境がないという状況を解決するために作ったんですね。
そして、彼女たちの活躍もあり2011年の女子ワールドカップでなでしこジャパンが優勝し、帰国後にふたりを祝福するために大和市でパレードをやったんですね。
大和シルフィード出身の選手が2名も選ばれるなんてすごいことですし、この機会に大和市に女子のトップチームを作ろうという話が盛り上がり、2014年に大和シルフィードのトップチームが創設されたんですよ。
-大和市は女子サッカーが盛んな地域なのにトップチームがないのはもったいないということですね!
トップチームができてから一気になでしこ2部まで駆け上がっているという印象ですが、スタートから現在までは監督の目にはどのようにうつっていますか?
藤巻さん:大和シルフィードで中学生時代を過ごした選手たちが、さまざまなトップチームで活躍して実績を残していたんです。そのうちの何名かは大和シルフィードに戻ってきてくれたことと、結成当初からのメンバーが力を合わせ、がんばってくれたので順調にこれたのだと思います。
-地元にトップチームができるならそこでプレイしようと実績ある選手が戻ってきたんですね!
では、次の目標は1部昇格ですね!やはり、2部と1部では大きな壁がありますか?それともこれまで通り順調に進めそうですか?
藤巻さん:私たちは、まだ2部の下位に位置するチームですから、1部昇格の壁は大きいですね。まずは、2部の10チームの中で順位を少しずつ上げていくことが大切だと思います。
-昨シーズンは8位でしたよね。
藤巻さん:そうですね。2部参入1シーズン目の目標は2部にしっかりと残留することでしたので、そこをクリアできたことは大きかったです。そして、今シーズンは、ひとつでも順位を上げられるようにがんばります。
-では、最後に大和シルフィードのめざすサッカーとはどんなサッカーですか?
藤巻さん:見ている人が楽しいサッカーをしたいと思っています。そのためには、攻撃的で選手もボールも常に動いているサッカーであることが必要なので、選手みんながハードワークできるチームでありたいです。
そして、もうひとつはホームタウンである大和市のみなさんが、私たちのサッカーを通じて感動したり、喜んだりしていただけるようなチームになりたいと思います。
そのために、選手含めチームスタッフ一同日々努力していきたいと思います。
【堀選手インタビュー】
■大和シルフィードの創設に協力をしてくれた大和市に恩返ししたい
大和シルフィードについて語る堀選手
-堀選手は、もともと大和シルフィードのU-15のチームに所属されていたんですよね?
堀さん:そうなんです。中学3年間は大和シルフィードに所属して、アルビレックス新潟レデイースからスフィーダ世田谷FCを経て、4年前に大和シルフィードに戻ってきました。
-大和シルフィードはどんなチームですか?
堀さん:とても元気で若いチームです。あと、サポーターと選手の距離がとても近いチームだと思います。
-現在、1部昇格に挑戦中ですがチームの状況はいかがですか?
堀さん:現状では、1部と2部の差を痛感しています。しかし、チームみんなで全体を底上げしていければできないことはないと思っていますので、日々の練習をみんなでがんばっています。
-みなさん、日中は別でお仕事をされて19時から練習とうかがいましたが大変ですね。
取材日はあいにくの雨。雨の中で練習する選手たち
堀さん:そうですね。まだ女子サッカーはアマチュア選手が多いので、サッカーだけで生活していくことはむずかしい状況ですが、大和市のみなさんやスポンサーさんのバックアップのおかげで待遇は改善していますし、この状況はみんなが楽しんでやっています。
-では、最後に読者の方にメッセージをお願いします。
堀さん:大和シルフィードは、とても元気なチームです。サッカー通して、見ている方が元気になれるようなサッカーをできるようがんばります。
そして、大和シルフィードの創設に協力をしてくれた大和市に恩返ししたいです。そのために、ひとつでも多く勝てるようにチームみんなでがんばります。
-大和市のみなさんの応援を選手のみなさんもしっかりと感じられているんですね。
堀さん:とくに私は中学時代をここで過ごしたということもあると思いますが、当時に比べれば環境は本当に良くなっていて、市民のみなさんの応援が本当にうれしいです。
私たちのサッカーを通じて大和市をもっと多くの方に知ってもらえるようになればよりうれしいですね。
編集部のひとこと

ライター
ゆめちゃん
藤巻さん、堀さんのおふたりのインタビューを通じて思ったことは、大和市に恩返しがしたいという思いがチーム全体の統一された認識であるということです。チーム関係者すべての人が大和市のバックアップを実感しているのだと思います。
女子サッカーの世界はまだアマチュア選手とプロ選手の混合状態です。大和シルフィードの選手は、全員がアマチュア選手として日中は別の仕事をして夜はサッカーをするという毎日です。そんな環境でも、選手のみなさんは前向きに練習に取り組んでいる姿が印象的です。
2021年には、女子サッカーが完全にプロ化されます。待遇面、環境面でまだまだ改善の余地が大きいというお話でしたが、引き続き大和シルフィードの活躍に注目していきたいと思います。
- 大和シルフィード公式ホームページ:
- https://www.yamato-sylphid.com/
編集部メンバー
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ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。 |
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家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。 |
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好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。 |