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お出かけスポットインタビュー

日常と観光スポットがミックスするまち―秦野。まちの魅力「農産物」を介して、人とひとが出会う・神奈川県最大の直売所「じばさんず」でJAはだの青年部村上耕一さんにインタビューしてきました!

JAはだの青年部村上耕一さん

JAはだの青年部、村上トマト園の村上耕一さん

神奈川県西部に位置する緑豊かな都市、秦野。「神奈川の屋根」と呼ばれる丹沢のふもとに位置する秦野市は、その地形や「全国名水100選」にも選ばれた秦野湧水群など、恵まれた自然環境を生かした農業が盛んな地域です。今日は、秦野市の農業を通してよりよい地域づくりをすすめる「JAはだの」が運営するファーマーズマーケット「じばさんず」へおじゃましてきました。取材当日は第1土曜日、JAはだの青年部が定例開催する「ユースマルシェ」の日。ユースマルシェの様子とともに、青年部の村上耕一さんに、秦野の名産品やみどころについてもうかがってきました。次の週末は秦野に行きたくなること間違いなし!のワクワクインタビューです!

聞き手:たいせつじかん編集部

■生産者と消費者のスクランブル交差点「じばさんず」

じばさんず

―横浜から約1時間の電車の旅、やってきました、秦野市!やってきました、じばさんず!

村上さん:お疲れさまでした(笑)。秦野の第一印象はいかがですか?

―今日はJAはだのさんへおうかがいするので、「農業、農家、農産物・・・」と頭の中がいっぱいだったからか、もっと山や畑が広がった田園風景をイメージしていたのですが、住宅や大型店舗がたくさんあって、思っていたイメージよりもずっと都市的な印象をうけました。

村上さん:そうですね(笑)。秦野は、戦後一貫して市の中心部に大規模工場を誘致したり、さまざまな観光資源をもっていることから、工業・観光都市としても知られていますので、「のどかな田園風景がひろがる」というのとは様子が違いますね。また、とくにここじばさんずは、最寄りの小田急線渋沢駅からはバスで約6、7分ほどの距離ですし、国道246号にも面していますので、都市的な印象を受けたのかもしれませんね。でも、よくこのまちを見渡してもらうと、まちの景色は、秦野の魅力である丹沢の山々にいだかれているように目に映りませんか?雄大な山々と都市が共存したまちの景色は、秦野の自慢の風景だと思います。

―そうですね!山が近く、空がとても広く感じますね。

村上さん:はい。秦野市は神奈川唯一の盆地で、空と山にまち全体が囲まれたような雄大な景色が見られます。今日はあいにくの曇り空で、富士山もはっきりとは見えませんが、天気の良い日は迫力のある風景になりますよ。また、カルチャーパークの水無川沿いのさくら並木は絶景スポットとしても知られていたり、県立戸川公園もさまざまな花が色あざやかな景観をつくっていて、この風景を楽しみに、市外からも訪れる方は多いようです。

―そうなんですね。では、ファーマーズマーケットである「じばさんず」も、観光スポットとして注目されるでしょうね。今日もたくさんの人でにぎわっていますよね。

村上さん:ファーマーズマーケットとは、農産物直売所のことで、生産者が市場を通さず直接農産物を販売する施設のことで、近年は、道の駅の中で開設されたり、カフェやレストランが併設されていたりと、確かに観光スポットとして注目されている施設も多いですよね。しかし、じばさんずの主なお客様は、地元の方が多いかもしれません。ですが、じばさんずももちろん、観光スポットとしての魅力は充分ありますよ。じばさんずの店内を見ていただくとわかりますが、いかがでした?

―お野菜、とても種類が多かったですし、安かったです!それに、秦野産農産物はもちろんですが、それを加工したご当地食品がたくさんあって、お土産にたくさん買っていきたくなりました!また、ほとんどの商品に生産者のお名前が入っていましたね。生産者さんの顔や生産の様子の写真が添えられているものまでありましたね。

村上さん:はい。やはり作り手の顔が見えることは、安心につながります。また、ここでは、毎朝地元の生産者から採れたての農産物が届きますので、市場を通してスーパーに並んだものを買うよりも、早く消費者に食べてもらえます。そして、生産者としては複雑なところではありますが、価格が安い(笑)。

―消費者にとってはうれしいことばかりです(笑)。

村上さん:そうですね(笑)。それと、じばさんずはさまざまなイベントを開催しています。これも消費者にとっては楽しみであり、また、お得な情報となると思います。イベントはじばさんずのホームページで確認できます。

(じばさんずイベントカレンダー http://jahadano.sakura.ne.jp/jiba-sche/sche28.cgi )

じばさんずの店内の様子

じばさんず店内の様子。小雨がぱらつく土曜の午前中にもかかわらず、店内は大にぎわいでした!

秦野産のえごま油や梨サイダー

秦野産のえごま油や梨サイダー。このほか、秦野産のお茶を使ったジェラード、秦野産落花生を使ったピーナッツバターなど、ご当地商品が満載。お土産に喜ばれそう!

■消費者にも、生産者にも◎な、「ユースマルシェ」

フライドを試食する親子

採れたての、揚げたてポテトフライを試食するママと女の子。ホクホクさっくりのじゃがいもに夢中!

村上さん:たとえば、今日は毎月第1土曜日に、JAはだの青年部が開催しているユースマルシェの日です。青年部のメンバーが、自分のところで作っている作物を販売しているのですが、試食を用意したり、その作物のおいしい食べ方などを来られたお客様とお話ししながら販売しています。

―私もいろいろ試食させていただいたのですがポテトフライだけで4種類もあってびっくりしました!しかもそれぞれに特徴のあるじゃがいもで、なかなか市場では見かけない品種でしたね。

村上さん:紫色のじゃがいもは驚いたでしょう?シャドウクイーンという品種です。

―それと、勉強不足で大変恥ずかしいのですが、秦野産の小麦や大豆があることに驚きました。また、その素材を使って、生産者さん自身が、乾麺やみそなどを作って販売されていることも驚きました。

村上さん:確かに、秦野産の大豆や小麦は市場ではあまり見かけないですものね。このように生産者が農産物を製品化し、物流・販売まですることを六次産業といいます。この流れは、全国的にもそうだと思いますが、秦野でもめずらしいことではありません。じっさい、秦野のような都市農業ではまとまった量を生産できないので、少ないロットで希少価値を出しながら商品開発をしています。このような開発をするときに、このユースマルシェで青年部のメンバー同士が雑談しながら情報交換することがとても役に立っています。私はトマトを生産して、そのトマトでトマトジュースを作っています。この搾汁工場を見つけて、「こんなことやってくれる工場があるよ」と情報提供することで、今日の試飲もありました丹沢ぶどうジュースも商品化が進みました。ユースマルシェは、消費者にとっても価値があると思いますが、私たち自身にとっても非常に貴重な場所だと思っています。

―知恵や経験やアイデアを共有しながら秦野産の商品が開発されているのですね。村上さんはトマトジュースを商品化されているとのことでしたが、どのようなこだわりをもって希少価値のある商品を開発されているのですか?

村上さん;そうですね。私のところのトマトジュースは、本当にトマトをしぼっているだけ。企業が作るトマトジュースのようにほかの野菜を入れたり、味を調整したりはしません。うちのトマトジュースは、秦野産の“村上トマト園のトマトの味”じゃなくちゃ意味がない。だから、うちのトマトの味がするトマトジュースにこだわっています。これはぶどうジュースも同じ。農産物そのままの味を大事にして作っています。

ユースマルシェの試食

ユースマルシェの試食は種類が豊富で大満足!フライドポテトだけで4種類!男性客が手を伸ばす、手前右のフライドポテトは紫色(シャドウクイーン)!紫いもではなく、紫じゃがいもだというから驚き。

―農家では、農産物を作って市場に卸しているだけが仕事の形態かと思っていましたが、商品化を進めることも、事業の一環として普通に行っておられるということは初めて知りました。

村上さん:そうですね。事業を継続していかなくちゃいけないですから、みんな何かしら試行錯誤しながら動いていますね。いちご農家とお茶農家などの若い人がグループを作って、完熟いちごの和紅茶をコラボして作ったり、商品パッケージひとつにしても、個性的なデザインで価値を高めるなど、さまざまな工夫をしていますね。また、農産物にしても、商品にしても、作るだけじゃなく、販路開拓も重要な仕事のひとつになってきます。そしてここは、人のつながりが大事になってくるところですね。うちのトマトジュースは今、小田原パーキングエリアで購入していただくことができますが、ひとりでこの販路を切り開いたのではなく、この販路につなげてくれる先輩がいたからこそできたこと。ユースマルシェは、そういった人とのつながりも育める場所だといえますね。

若い生産者たちのコラボ商品

若い生産者たちのコラボ商品、秦野産のいちごとお茶を使った紅茶。

■いまさらですが・・・「JA」ってなんですか?

秦野から見た富士山

秦野から見える富士山

―じつは私が住む横浜市のあるまちでも、JA支部がいくつかあるのですが、身近に農家さんがいないからJAがいったいどのような団体なのか、いまひとつよくわかりませんでした。しかし今日の話をうかがって、「農業協同組合」であるJAの役割が少し分かったように思います。

村上さん:一般の方に知られているのは、JA共済やローンなどの側面かもしれませんね。

そのほかにJAは、営農や生活指導など、農業を営む上で役立つ情報提供や、新しい技術やアイデアの供給などを行って、このユースマルシェのように、人がつながり、情報共有ができる価値を生み出していると思います。このほかにも、資材の共同購入、農産物の共同販売なども行っています。じばさんず店内に、私が製品開発したトマトジュース以外に、もうひとつトマトジュースが販売されていたのに気付きましたか?あれはJAがこの地域のトマト農家のトマトを集め、まとめて搾汁して製品化したトマトジュースです。製品化を外部の工場に依頼する場合、個人の農家だけでは最小ロットに満たないこともありますので、JAがまとめて農産物を引き受けて製品化し、販売しているというわけです。

―じばさんずの運営もJAが行っているのですよね?

村上さん:はい。秦野では農家がさまざまな農産物を生産していましたが、以前は市場のほかに売る場所がありませんでした。そのような背景もあり、JAが主体となって、JAの組合員だけでなく准組合員も出荷者登録して直売できるじばさんずができました。

―JAは販路拡大にも寄与しているということなのですね。

村上さん:農産物は、作れば作っただけ売れるというわけではないので、作るだけじゃなくて、どうやって売るかというところの知恵の使い方がとても重要。そこにJAは知恵を貸してくれたり、売り場を提供してくれたりしているということになりますね。そのほか近ごろでは、秦野市などとも協働しながら、観光農業という新しい価値を作ろうともしています。

―丹沢の山や名水スポットなど、観光資源がたくさんある秦野ですから、秦野に観光に来た方が、観光農業を並行して楽しんでくれたらいいですね!

村上さん:はい。すでに観光いちご園は秦野で4軒ほどあり、1軒当たり年間1万人の観光客の利用があるそうです。しかし、秦野の観光農業はまだまだ発展途上です。ですから、その盛り上がりを支えるために、JAが青年部と共同で、いちご狩りと手もみ茶体験をセットにした体験型ユースマルシェなどを開催したり、JAや秦野市と協働しながら、農園ハイクという「ハイキング+野菜の収穫体験」ができる催しを行ったり、観光農業の発展をいっしょにすすめています。

―じばさんずや観光農業、農園ハイクなど、地域の価値を、地域の農家さんが一体となって、育てている雰囲気がしますね。素敵ですよね。そして何より、農園ハイク、おもしろそうですね!!

村上さん:受付はじばさんずで行い、参加者は各自農園へ移動します。さつまいも、落花生、里芋など、複数の農園をハイキングしながら農産物の収穫体験をします。収穫したものは、あとでトラックで運んでくれるので、参加者は収穫とハイキングを存分に楽しんでいただけると思いますよ。また、秦野の名物でもある落花生の掘り取りは、とてもめずらしい体験なのでやってみる価値アリです!毎年市役所で募集の広報を行いますので、ぜひ参加してみていただきたいです。

■もっと知りたい!秦野のこと!!

秦野の里山の様子

―今まで知らなかった秦野のこと、農業のこと、驚きがいっぱいで、今日はとても有意義な取材となりました。ありがとうございます。

村上さん:いえいえ、こちらこそ(笑)。ところで、最後にJAはだののゆるキャラ「やえのちゃん」と「ぴーなマン」について、問題です(笑) さて、このふたりは、秦野の何を象徴したゆるキャラでしょうか?

JAはだのの人気ゆるキャラ、やえのちゃんとぴーなマン

JAはだのの人気ゆるキャラ、やえのちゃんとぴーなマン

―え!?(まさかクイズが出題されるとは・・・・(;’∀’)) えーー!?えーーーーーーー・・・なんだろう・・・。「ぴーなマン」は、秦野の名産落花生(ピーナツ)から生まれたと思いますが、「やえのちゃん」はなんでしょう・・・?見当もつかないのですが???

村上さん:正解は、「ぴーなマン」はおっしゃる通り落花生です。そして、「やえのちゃん」は八重桜から生まれました。じつは、あんパンなどの上に乗っている八重桜の塩漬けの全国8割のシェアを占めるのが、秦野なのです。やえのちゃんとぴーなマンのプロフィールが見られるJAのホームページもありますよ。

JAはだのホームページ:http://ja-hadano.or.jp/jahadano/character/index.html

 

―そうなのですね!!

村上さん:八重桜の塩漬けや落花生が特産品だったり、昔は水府(茨城県)、国分(鹿児島県)と並んで日本三大葉タバコのひとつとして名を高めていたりと、秦野には一般のみなさんがあまり知らない歴史や魅力がまだまだいっぱいあります。

―本当ですね。まだまだびっくりすること、驚きの発見が出てきそうです。丹沢の大自然を満喫するとともに、いちご狩りや落花生の掘り取りなど、季節にちなんだ農業体験をしたり、秦野の名産品や採れたて新鮮な農産物をじさんばんずでお土産に選んだり、秦野市外からのたくさんの方に遊びに来ていただきたいですね。

村上さん:秦野を抜けて小田原港など出ていくのも楽しいと思いますし、秦野近郊も温泉やレジャー施設もありますので、ぜひ、農園ハイクやじばさんずへお越しください!

 

編集部のひとこと

編集長

かなさん

身近に農業を営む人がいなかったので、今回は農業の知られざる側面を知ることができ、新鮮で驚きいっぱいのインタビューとなりました。とくに、都市型農業という秦野の農業形態を生かしながら、農家のみなさんが情報とアイデアを駆使する姿は、商社マンややり手の起業家のような印象を受けました。秦野産という価値を損なうどころか、希少価値に転じて商品化する姿勢も、農業という仕事の奥深さを感じました。ぜひ、生産者が直接届ける味を、商品にこもった心意気を、たくさんの消費者のみなさんに味わっていただきたいなと思いました。
今年3月、JAはだのとパルシステム神奈川ゆめコープは「事業連携を通じた地域振興・地域貢献に関する包括協定」を結びました。今後、秦野産オリジナル商品がパルシステムでも購入できるようになるかもしれません。楽しみですね!

編集部メンバー

編集長
かなさん

ふたりの子どもがいるワーママ。お酒が好き。とにかく声が大きい。

ライター
せいくん

家事全般、特に料理が得意な新人ライター。気も声も小さい。

ライター
ゆめちゃん

好奇心旺盛。食べ歩きや女子会が大好き。いつもTシャツ。

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